マブラヴ
1204話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ず目を奪われるその刀身。それを見た者は次の瞬間に皆感嘆の声を上げる。
イザークですら見惚れていたと言えば、それがどれ程の物なのかは明らかだろう。
明らかにその辺で適当に入手出来るような代物ではない。
……まぁ、刀身が剥き出しなのは、金ぴかがこのまま王の財宝から射出してきたのを触れて奪った代物だからだ。
本来であれば、これ程の日本刀は当然相応の鞘が用意されてしかるべき代物だろう。
「この日本刀は……アクセル、これは一体」
手渡された日本刀を手に、ムラタが普段からは想像も出来ない程に慌てて尋ねてくる。
まぁ、確かにこの日本刀はそれだけ周囲の視線を集めるだけのものを持っているからな。
ムラタや他の者の様子にも満足し、俺はその日本刀の名前を……空間倉庫のリストに表示されていた名前を口にする。
「童子切安綱。いわゆる、天下五剣と呼ばれているうちの一振りだな」
「童子切安綱!?」
俺の言葉に再び驚くムラタ。
うん、その気持ちは十分に分かる。
俺自身は日本刀とかはそんなに詳しくないのに、そんな俺でも知ってる程の名刀だからな。
「い、いいのか?」
「ああ。お前向きだろ。ただ、分かってると思うが、それは別に本物の童子切安綱って訳じゃない。……いや、ある意味本物ではあるかもしれないが、お前が思ってるような童子切安綱じゃない」
俺の言葉の意味が分からなかったのだろう。訝しげなムラタの視線が俺に向けられる。
「どういう事だ?」
「俺が行方不明の時に行っていた世界。そこで戦った金ぴか……ギルガメッシュが使ってた武器だ。正確には童子切安綱ではなく、童子切安綱の原型だと思ってくれ。まぁ、魔力を纏っている武器だけあって、寧ろ本物より強力だろうが」
普通の宝具と違うのは真名解放が出来ない事だが、もしかしたらムラタが修行を重ねればその域に達する事があるかもしれない。
何しろ、魔法球とかホワイトスターにいれば寿命の心配はしなくてもいいからな。
ああ、ホワイトスターの方は今はまだ寿命の心配があるが。
「なぁ、アクセル。俺にはそういう土産ないのかよ?」
ムラタの方を見ていたムウが尋ねてくるが、首を横に振る。
「確かに宝具……いや、武器の類は色々とあるけど、それを使いこなせない奴にやってもしょうがないだろ。大体、ムラタは日本刀を主武器として使っているけど、ムウの場合は使うとしても銃とかだろ?」
「……否定はしない」
「で、残念ながら俺が入手した武器は近接戦闘用の物が殆どなんだよ。剣、槍、ハルバード、バトルアックス、その他諸々。まぁ、弓とかがあれば話は別だったかもしれないが、そっちは無理だったしな」
金ぴかの攻撃手段が宝具の投擲である以上、弓や矢を放つような事はなかった。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ