第十七話「いつかの記憶」
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ロポリスで暮らしていたとしても、女尊男卑に染まるような人間にはならないと、一夏は思った。
食事を終え、一夏は風呂に入れさせてもらうことになった。それも、客人ゆえに先に風呂へ入らせてもらったから出来るだけ入浴時間を削り、十分程度で風呂場から出て着替えると、そのまま比奈の部屋へ向かった。
「式神? 風呂空いたぞ?」
と、そのまま彼女の部屋のドアを開けてしまった。
「い、一夏ちゃん!?」
「あ……!」
タイミングが悪く、彼女は着替え中だった。パジャマに着替える途中で、比奈のパンツ越しのお尻に真っ先目がいった、一夏は慌ててドアを閉めた。
「すまん! 本当に……ごめん!」
そんな彼の謝罪に、ドアの向こうから恥ずかしそうな声で比奈の声が聞こえた。
「い、いいの……事前に伝えてなかった私も悪いんだし……今日はね? 篠ノ之神社で身体のお清めをしたの。だから、今夜はお風呂に入っちゃダメって言われたから……」
「そ、そうなのか……」
頭をボリボリかきながら、一夏は与えられた部屋へ向かった。
一夏が止めてもらう客室にはすでに布団が敷かれていた。気を利かせて敷いてくれたのだろう。彼は比奈に感謝して布団へ潜ろうとしたのだが……やはり、ノックなしに彼女の部屋へ入ってしまったことに、彼ながら罪悪感を感じてしまった。寝ようにも寝れない。
――ああ……見ちまったしな? けど、絶対に怒ってるよな? いくら何だって見ちまったんだし……
腕を組んで考えこむそして、考えだした結果を一夏を胸に彼は再び比奈の自室のドアをノックした。
「あ、あの……式神? いるか?」
「え、い……一夏ちゃん?」
寝ようとしてベッドにつこうとしたいたが、以下のノックで急に胸の鼓動が高鳴る。
「ちょっと、伝えたいことがあってさ?」
「なら、入ってきていいよ?」
「い、いいのか?」
「うん! どうぞ?」
「じゃ、じゃあ……おじゃまします」
と、一夏は比奈の自室へ入った。部屋はいい香りで満たされ、和風の可愛らしい置物や雑貨がある、いかにも女の子らしい部屋だ。
「ほら、そこに座ってよ? 立ったままだと疲れるし」
「じゃあ……」
一夏は、指定された目の前の柔らかそうなクッションに腰を下ろすと、深呼吸をして彼女にこう言った。
「さっきは、知らなかったとはいえ悪かった。仮に知っていても無意識に俺ってやっちゃうからさ?」
自分は大層なおっちょこちょいだと改めて比奈に詫びた。
「いいよ? もう気にしなくても?」
「で、でも……」
「んもう、クヨクヨしちゃだめだよ? 気にしてなんてないから、そんなことで一夏ちゃんを嫌いになんてならないよ?」
ニコニコしながら、比奈はそう言ってくれた。
「じゃ、じゃあ……別にお詫びといっちゃ何だけど……明日、暇かい?」
「え? うん、特にない
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