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RSリベリオン・セイヴァ―
第十七話「いつかの記憶」
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てた動作で一夏の元へ駆け寄る。
「あら……一夏君なの? まぁ、大きくなったわねぇ?」
「どうも、お久しぶりです。おばさん」
懐かしい人に会えて、一夏は微笑んだ。
「そうだ、一夏君? この子、覚えてない?」
と、雪子は俺に比奈を紹介した。しかし、覚えていないのはわかっており、俺は苦笑いしながら答える。
「すみません……」
「そう? ほら、よく夏休みに一夏君といつも一緒に居た女の子よ? この村で一番仲良しだったじゃない?」
「……記憶はあいまいですけど、覚えていると思います。けど、ハッキリは……」
「そう……まぁ、いいわ? ここに居る間、ゆっくり思いだしてちょうだい?」
「は、はい……」
「ところで、いつまでここに居ることになったの? 夏休み?」
「……いいえ、たまたま今週の三連休を使ってツーリングに来ただけですから」
「そうなの……もしよかったら、今夜一晩泊まっていったら?」
「お気持ちは嬉しいですが……」
遠慮しがちに言うと、比奈は割り込むようにこう言う。
「じゃ……じゃあ! 私の家に泊まっていかない?」
「え? けど……」
いきなり、比奈の家とは……当然、一夏は動揺する。しかし、そんな彼に雪子はこう言った。
「一夏君? せっかくなんだし、比奈ちゃんのお家に泊まらせてもらえば?」
そう、ニッコリ笑って勧める雪子。彼女からして良いシチュエーションと思っているのだろう。
雪子にも言われれば、どうも断ることのできない一夏は、しぶしぶ比奈の自宅に泊まらせてもらうことに……
「一夏ちゃん! ちょうどご奉仕も終わったことだし、私着替えてくるね? 社務所で待ってて? それじゃあ、おばちゃん! お先に失礼します」
歓喜にあふれた茜は、一夏の手を引いて駆け出していった。
「若いって、いいわねぇ……?」
と、雪子はニヤニヤして二人を雪子は宥めていた……が、少し彼女としては誤算があった。
「あら? もし、箒ちゃんにこれがバレたら……?」
そう、もう一人の一夏への思い人である箒がこのことを知ったら……恐ろしくてそれ以上は考えたくなかった。本当は、箒も一夏のことが好きだったらしいが、あまりにも暴力的表現を愛情表現にして伝えるから、一夏から距離を置かれているのだ。

「へぇ? これが、一夏ちゃんのオートバイ? カッコいいね!」
「あ、うん……」
石段を降りて、普段着に着替えた比奈はバイクを押す一夏と共に田舎道を歩いていた。
「ねぇ? 一夏ちゃんって、IS学園に通っているの? もしよかったら、後でそのお話を聞かせてよ?」
「うん……いいけど?」
別に、毎日がかったるいだけの退屈でくだらない日常が三年間も続いていく。時にシャルロットやラウラのようなヘンテコリンが現れてハラハラすることもあるが、それでもやることはいつもと変
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