第六話 アンリエッタ誕生
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「殿下、気を落とされないよう・・・日々鍛錬です!」
「そうだね、ありがとうミラン」
ミランは慰めてはくれたけど、やっぱり悔しい。
魔法の授業が終わると次は剣の修行だ、最初の頃は魔法の授業のみで剣の修行はプログラムに含まれてなかったし、当然というべきかミランは大反対した。
だが、オレも負けてはいない。
「剣術といっても、別に剣さばきの上達だけが目的じゃないよ、俊敏な足運びを学べば入浴中や首脳会談といった杖を持ち込めない状況で賊に襲われても、逃げるなり抵抗するなりとそれなりに動けるよ」
「かと言って、王族に・・・しかも次期国王へ剣術とは。いろいろ問題でしょうし、他の者たちも黙ってはいないでしょう・・・それに無駄ではないでしょうか?」
「世の中に無駄な努力とか、無駄な技術なんて存在しないよミラン。一見無駄な技術でもめぐりめぐって思わぬところで役に立つものさ」
「・・・はあ」
「次は・・・というか、こっちが本命なんだけど」
「何なんでしょうか?」
「実はね、美食と運動不足が祟ってさ、将来とってもグラマーになるんじゃないかと心配なんだよ」
「それは・・・」
太った王様なんてかっこ悪いから、グラマーな王様よりもスリムな王様のほうが国民の支持も高そうだしね、良くも悪くも人間は見た目で判断するから。
ミランは不満そうだったが基礎的な剣術を教えて本格的な訓練は様子を見てから・・・という事で約束してくれた。
残るは両親の説得だけど、痩せてた方が国民の印象も良くなると説得したら意外とすんなりOKがもらえた。母さんは心配そうな感じだったが、父さんは『むしろ当然!』といった雰囲気だったのが以外だった。
貴族については、すでに父さんの許可を得ているから放っておく事にした。
剣の修行とはいえすぐに剣を触らせてもらえるわけじゃない、まずは基本、ここ数ヶ月体力づくりばかりやっている。
とはいえ七歳児の身体であるため、お遊びみたいなトレーニングでヘロヘロになってしまう。
オレは動きやすい服に着替えて、室内練習場を延々と走っていた。
窓からは西日が差し込み直接、陽の光が当たることで息も絶え絶えに走るオレをさらに不快にさせる。
「殿下、あと二周で終わりです。もう少しの辛抱ですからがんばって下さい」
返事をするのもおっくうでなんとか『うん』と返すだけで精一杯だった。
走り終え、クールダウンのストレッチをしているとミランが不思議そうな顔をして話しかけてきた。
「殿下は以前から運動後に、見たこともない体操をされますが、なにかの儀式か何かなのですか?」
「ああ、王立図書館で見てね・・・こうやって身体を伸ばしたりす
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