第五話 真夜中の襲撃
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らない。
「退路も絶たれた。身を隠す場所も無い」
徐々に近づいてくる無数の足音に恐怖でガチガチと歯が鳴るが、『やるしかない』と心に決めると、歯を食いしばり恐怖を力ずくでねじ伏せる。
「・・・ラナ・デル・ウィンデ」
エアハンマーのスペルを唱えながら敵の襲来を待つ。すると三頭の黒犬が姿を表した。
『エアハンマー!』
先手必勝! 少し遠いがエアハンマーと放つ、たっぷりと精神力を加味した不可視の大槌が黒犬たちに襲い掛かり巨大な破砕音とともに大量の瓦礫と土煙が舞い上がる。
巨大な破砕音を出すことで、周囲に人が居ることを知らせる事も目的の一つだったけど・・・
「やっぱり魔法ってすごいな」
土煙がもうもうと立ち込め、魔法のランプもいくつかが破壊さた為に暗く感じる。
瞬間、一頭の黒犬が煙の中から飛び出してオレに襲い掛かってきた。
「うわわっ!?」
オレは飛び掛ってくる黒犬を避けようと、思わず持っていた杖を盾代わりに突き出すと黒犬は杖にがっちり食らいつき、そのままオレを押し倒した。
「は、離せよ!」
馬乗りにされたオレは黒犬から杖を取り戻そうと思い切り杖を引っ張るが、所詮は五歳児の腕力か瞬く間に黒犬の力に負け思わず杖を手から離してしまった。
勢いよく飛んだ杖はどこかの壁に当たって軽く音を立て床に落ちた。・・・万事休す。
(と、言いたいところだけど)
奥の手を使う覚悟を決める。『魔力無限』と後一つ、『目から破壊光線』・・・誰かにばれたら間違いなく異端確定だ。
辺りに人の気配がないか調べたいところだがそんな暇は無い、能力を使うべく黒犬を見ると目が合った。ん? こいつ口を歪ませだぞ!
「・・・喰らえ」
その時、オレの目から『金田ビーム』のエフェクトで二条の光線が発射され黒犬の顔面に命中した。
黒犬はもんどり打って倒れるもすぐに起き上がったが様子がおかしい。すると頭部が煮崩れしたかのようにボロリと崩れ落ち、次に崩れ落ちた頭部がパチパチと音を立てながら線香花火のような火花を立てて灰になった。頭部を失った黒犬はピクリとも動かなくなった・・・死んだみたいだ。
「初めて撃ってみたけど・・・」
レーザーみたいに貫通するタイプじゃなくて、照射した部分を破壊して最終的に灰にする謎の光線? それにしてもどういった原理の光線なのか・・・いや、あまり考えないようにしよう。
いろいろと破壊光線の考察をしていると、がやがやと騒がしくなってきた。どうやら救援がきたらしい。
「おお〜い!」
『子供の声が聞こえたぞ! 殿下ではないのか?』
オレの声に気づいたらしく足音がだんだん近づいてくる。グリフォン隊の隊員が三人、駆け足でやって来た。
「殿
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