第五話 真夜中の襲撃
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うです」
「平民はどうするんだい?」
「外で用を足すのではないでしょうか」
「・・・」
改めて感じる、このハルケギニアは魔法を使えるものと使えないものの格差が酷い。
格差を無くすと言っても具体的にどうすれば良いか、思案はしているものの魔法を持つ者と持たざる者、両者の隔たりは大きすぎて良い案が浮かばない。
「はぁ・・・」
思わず、ため息が出た。
「殿下、退屈な話でしたか?」
「あ、いや、なんでもない」
「そうですか」
「うん」
妙な方向へ思考が飛んでいた。気を取り直しミランにいろいろ質問してみる。
「ミランは家族とかはいるの?」
「家族ですか? そうですね妻と養女が一人います」
「結婚してたのか、それでその奥さんはどういう人なの?」
「その・・・ですね、その妻というのは実は平民でして」
「平民を!? それはまた珍しい」
「ハハハ・・・おかげで部隊内では鼻つまみ者ですが」
驚いた、というか貴族はみんなが平民を差別していると思っていた。
『貴族の中にもこういう人がいる!』貴族と平民との関係改善に悩んでいたオレは少し救われた気がした。
「で、次の養女を言うのは?」
「妻の遠縁の娘でして、1〜2年前にどこかの村で大火事がありまして、村は壊滅して命からがら遠縁の妻を頼って来たっていう娘なんです」
「それは気の毒に」
「その娘・・・ああ、アニエスって言うんですが、どういう訳かメイジを嫌っていて中々私に懐いてくれないんです」
見た目はゴツイがいい感じの好青年が悲しみに歪む。
「メイジ嫌いね」
そうしている内にトイレに到着した。昔の田舎の家みたいに野外に設置してあるタイプだった。
「では殿下、ごゆっくり」
「うん」
さっさと済ましてしまおう。
・・・ふう。
水魔法で手を洗いついでにで掃除を始める。
『殿下、よろしいでしょうか』
ドアの外から声が聞こえた待たせたかな。
「もう少しで終わるから」
『いえ、先ほどから人の気配を感じないので』
「え?」
オレは驚いてトイレから出た。
「どういう事?」
「他にも見回りが要るはずなのです・・・殿下っ!?」
「どうしたの!? うわっ!」
突然ミランに突き飛ばされた。すると無数の影がミランに降りかかりミランの姿が見えなくなった。
この時の奇襲で軍杖を落としたらしく、地面に落ちていた。
突然の事でオレは気が動転していたらしく、ろくに動くこともできなかった。
それにしても・・・何だこの黒いヤツは。
「え・・・犬?」
ミランに覆いかぶさった無数の黒い犬。するとミランは咆哮
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