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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
鬼々浪々
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はレンをどうにかして叩き起こして来てくれ。俺の神装でもアレはさすがに手こずりそうだ。レンの槍ならブチ抜けるだろ?」
「わ、わかった」
頼んだぞ!という言葉を残し、キリトは再び勢いよく飛び出し、削られた稜線の隙間から顔を出す巨人に立ち向かっていく。
その背を見ながら、ユウキはとりあえずポーチから取り出した注射器型の回復アイテムを少年の首筋に押し当て、後端にあるボタンを押した。
プシュッ、という小さな音とともに
回復
(
ヒール
)
エフェクトである赤色が一瞬アバターの全身を包み込む。
本大会に参加する際にプレイヤー一人に付き三つ配布されたこのアイテムだが、回復できるのはHP全体の三割と言ったところだし、それまでに三分もかかるイロモノだ。だが、傷ついたレンに少しでも手助けになるのならば、と少女は祈るようにエフェクトが消えるのを見届けた。
次いで、自身にもぎこちない手つきで使用した後、限界まで加速し、疲弊しきった脳に鞭打ちながら、死んだようにピクリとも動かない少年の肩を揺さぶる。
「レン……レン!」
だが、目蓋は開かない。
DEADタグが付いていないということは、HP自体はまだ残っているということだが、細い肩は何の応えも返してはくれなかった。
少年は、動かない。
だが、次の瞬間――――
どこか遠くで呼ばれたような気がして、レンは思わず振り返った。
だがどこを向いても変化はない。相も変わらず、何の手がかかりもない底なしの闇が四方を取り囲んでいる。
感じとしては、ALOの際に狂楽のGM権限で閉じ込められた空間に似てはいるが、その時と違うのは自身の姿さえも見えないという点だ。
何かをしても、動作をしているという気がするだけで、本当にしているのかがわからない。
歩いても、相対的に動く物体の類が存在しないのだから、本当に初めにいた位置から動いているのかもわからない。
そもそも――――
自分が本当に存在しているのか。
それすらも、わからない。
だが。
少年は《そんなこと》には構わずに、常人ならば小一時間ほどで発狂するほどの環境の中でなお無邪気に首を傾げる。
「それで、狂怒。マークUを破壊できる手立てっていうのは何なのさ」
その声に応えるのは、ガラの悪い木霊だった。
その声も方向性が判然としていて、どの方向から響いてきているのかは正しく理解できない。
声は言う。
「別に破壊までぁいかねぇよ。これから俺達が手前ぇに提示するのは、いわばアレをバグらせるってこったな。言葉にすると陳腐だがぁよぉ……」
その声に応えるように、また別の木霊が響いた。こちらはまだ少年のような口調だが、そのかわり言葉の端々に
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