暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第49話 砂漠緑化!? そして置いて行かれる私
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ていますが、ここは無視します。

「砂漠緑化とは一大事業です。成功させるには、多くの人手と時間を必要とします。それは事前に説明しましたよね」

「すまない。多くのエルフが未だ君の事を認めていないのだ。逆恨みをする者も多くいる。そう言った者達は、また精霊の怒りを買うのもかまわず君に危害を加えかねないのだ。襲撃も予想されるから、一般人の参加も見合わせた。立候補自体は多かったのだが、条件に合わぬ者を取り除いたら私しか残らなかったのだ。ちなみにルクシャナは、色々と伝手を使い強引にねじ込んだ」

 そう言う事ですか。事なかれ主義の評議会が考えそうな事です。ですが、決して的外れではないのが痛いですね。嘘を見抜く精霊魔法も使ったでしょうし。……しかし逆を言えば、人間(わたし)さえ関わらなければ、それなりの人員を用意出来ると言う事でもあります。ここは知識を2人に教え込んで、私が関わらない方が良いかもしれません。……そうすれば早く帰れるし。

 そこまで思考が至ると、私の中で何かのスイッチが入りました。何故か笑みが漏れてしまいます。

「分かりました。予定を変更して、2人には私の知識を取得してもらいます」

 ? 何故でしょう? ビターシャルとルクシャナの顔が引きつりました。まあ、そんな事は如何でも良いとして……。魔法の道具袋から黒板とチョークを取り出すと、“ギルとティアと精霊の一夜漬け勉強会”と書きました。その下に“ジェットストリームアタック方式”と見えない位に小さく付け加えます。後にルクシャナが“あのタイトルには、恐怖と言う言葉が抜けてた”と語っていましたが、私には関係ありません。

「さあ、授業を始めよう。まだまだ時間はある!!」



 一夜明けて、ビターシャルとルクシャナの口から何か出てはいけない物がはみ出しています。相当辛かったのでしょう。

「流石にやり過ぎでしょうか?」

 常に精霊達からのプレッシャーにさらされながら、集中力が切れたと同時にティアの龍の咆哮(もうティアの正体がばれても気にしない)で5分間の睡眠(きぜつ)時間を取る態勢でした。恐怖を伴う事は嫌でも覚えますから。ちなみに近所迷惑になるので、サイレントと風の精霊の二重結界により音を遮断しました。気配りは大切ですよ。

「そうじゃ。主。流石にあれは、やり過ぎなのじゃ」

「重なりし者よ。少しは加減と言う物を学ぶが良い」

 ティアと土の精霊に言われたくありません。全員そろってノリノリだったくせに……。エルフ達の態度を、よほど腹に据えかねていたのでしょう。と言うか、私も人の事は言えませんね。

「さて、一夜漬け勉強会もこれにて終了です」

 2人は私の言葉で、地獄から解放される喜びで満たされました。しかし世の中そんな甘くありません。

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