暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第49話 砂漠緑化!? そして置いて行かれる私
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人が衝突した件だ」

 私が「騒ぎが起こったのは知っていますが、顛末までは……」と答えると、ビターシャルは騒ぎの結果起こった事を説明し始めました。

「鉄血団結党員は、その殆どが軍部所属で武装をしていた。一方で一般人は数こそ多いが丸腰だ。そのまま衝突をしていたら、一般人に多数の死者が出ていただろう。それを止めたのは風の精霊だった。元々の衝突の原因が“精霊魔法が使えなくなったのは鉄血団結党員が精霊を怒らせたから”と広まった所為だったのたが、鉄血団結党は頑として認めなかった。しかし、本物の精霊を目の当たりにし“精霊が事実を話した”事により、鉄血団結党は結束力を失い瓦解したのだ」

 後の流れは簡単です。擁護してくれる者を失ったエスマーイルは、責任を追及され更迭が決定します。保身から場を乱す者がいなくなり、会議は一気にまとまる方向に進んだ……と言う訳ですね。

「……鉄血団結党の事だが」

「? 何だ?」

「あまり恨まないでやってほしい」

「何故……と聞いても」

 この時私の顔には、明らかな嫌悪感が浮かんでいました。後々考えると、恥ずかしい限りです。

「鉄血団結党員の半数以上が、この地に侵略に来た人間の所為で家族や恋人・友人を無くしているからだ」

 今までエルフ相手に、人間が勝った事は無いと言って良いでしょう。例外も大局に影響しない局地戦で、片手で余る程度の数しかありません。しかし、勝利を重ねるエルフ達も被害ゼロとは行かなかった……と言う訳ですね。しかも、人間側から一方的に攻められるだけ。

 彼等は彼等なりの言い分がある。……か。そんな当たり前の事が、頭から抜け落ちていました。しかし、一部の人間……ましてロマリアやロバ・アル・カリイエがやった事で、私が責任を取る理由はありません。エルフ達は直ぐには納得してくれないでしょうが、神官(ゲス)共と同類扱いされない様に努力するしかありませんね。

「分かりました。それと、ドリュアス家からの依頼は、受けてもらえそうなのですか?」

 口調が戻ってしまいました。まあ、今更なので気にしても仕方がありません。地が出てしまうのは、私も使者として半人前である証拠ですね。

「正直言って、そちらの方はまだ分からない。本来なら問答無用で断るのだが、お前が『エルフと言う種族が、過去の悲劇から何も学ばない者ではない事を願っています』と言ったのが効いた様だ。テュリューク様を含む一部の議員達が、肯定的な意見を言う様になった。しかし、反対意見も未だ根強く残っていて意見の統一は出来ていない」

 なるほど。問答無用で断られると思っていました。そこからカードを少しずつ切るつもりでしたが、これなら一気に行った方が良いかもしれません。と、その前に。

「ビターシャルの意見は如何な
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