暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
54 埋められていくピース
[6/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、いい男見つけてよろしくヤッてるよ」

シドウはあくまで冷静を装うが、いくら大人顔負けの実戦を積んできたエキスパートとはいえ、まだ18歳の少年だ。
少しずつ冷静な思考は削れられていく。
ミツバは悪い人間ではないし、嫌いというわけでもない。
それに深く考えれば考える程、頭の中にはクインティアの姿が思い浮かんでくる。
ミツバはそこそこの美人だし、相性はいいし、互いに悪い話ではない。
しかしValkyrieの事件がまだ終わっていないと思うと、楽しめる心の余裕が無い。
だがそれを解決するには、間違い無く情報が必要だ。
シドウは意を決して、口を開こうとした。

「……」
「ハハッ、冗談だよぉ」
「え?」
「そんな嫌々するもんでもないし。乗り気だったら、ギャラはそれでも良かったんだけど。心頭滅却したみたいな顔してるよ?」

そんなシドウの今までの人生においての一生に一度の決断と言っていいくらいの決意をミツバは軽く笑い飛ばした。
そして再びパソコンの前に向かう。

「ギャラは10万ゼニー、プラス気持ちゼニーってところかな」
「うん、10万ゼニー」
「おいおい…普通に手に入れようと思ったら、警察署に忍び込まなきゃいけないレベルの情報だよ?そこはその苦労に対していくらか多めに払うもんでしょ、JK」
「じゃあ10万ゼニーが前払い、それとベッドの上での相手が後払いだ」
「あれ?嫌じゃなかったの?」
「別に。事件が解決してないから、楽しめる心の余裕が無いだけだ」
「あぁ、そうだよね。この場でキモチイことシても、まだ仕事残ってると思うと楽しめないよね。まぁ、気が向いたらいつでも相手するよ」

シドウは少し複雑な顔をしながら、10万ゼニーをテーブルの上に置いた。

「そういえば、お前、携帯は?」
「持ってるよぉ」

ミツバはポケットからアニメのストラップが着けられたHTC Butterflyを取り出す。

「番号は前と変わらずか?」
「うん」
「オレの番号は知ってるか?」
「もちろん。架空の名義の奴も含めて全部。情強だから、私」
「そういえばあの女の居場所は分かるか?」
「あの女...?あぁ、ハートレス?うん、何ヶ所か居そうな場所は検討つくけど?」
「1時間くらい街を探索してくるが、何かあったら連絡をよこせ。オレも調べて欲しいことが増えたら、連絡する」
「りょーかい。いってら〜あと弁当とかお菓子とか、買ってきてくれると助かるんだけどぉ」

ミツバは片手キーボードを叩きながら情報収集を開始する。
そんなミツバに少しため息をつきながらも、シドウは頷いた。
少し表向きの性格に難はあるが、実際は能力からしても人柄からしても頼れる人間だ。
それに態度とは裏腹に子供が好きな優しい面を持ち合わせている。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ