精神の奥底
54 埋められていくピース
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かになってくる。
「…随分と楽しそうな逃亡生活だな」
「だってディーラーも追いかけてこないし。てかディーラーもディーラーで私のこと覚えてない感じでない?」
「さあな」
「って、「ディーラー!オレは悪党を辞めるぞぉ!」って裏切って、サテラポリス側になったシドウちゃんに言っても分かるわけナッシング」
ミツバの部屋は壁には大量のアニメやゲームのポスター、棚には漫画とBlu-ray、テーブルの上には分解されたスマーフォン、そして窓際にはシドウなら落ち着かなくて寝れない程のフィギュアが飾られていた。
『シドウ…彼女は?』
「こいつは昔、ディーラーの一員でクラブのクイーン、シャムロックと呼ばれていた女だ」
『シャムロック…』
「オレが抜けるより早く、敵の拠点に痕跡を残すポカをやらかして逃げ出した。オレは当然、裏切り者を追いかける立場にいて、この場所も突き止めてはいたが、オレも同じタイミングでディーラーを裏切ったからディーラーにこの場所を知ってる奴はいない」
「シドウちゃんが逃げ切れたのは、私が注意を引いていたおかげなのであった、うむ」
「…こいつは昔からかなり広いネットワークを持っていた。実戦のキャリアは皆無だが、いわゆるスパイ活動においては結構な天才だ」
「私がディーラーから逃げた後は開発中だったスパイ衛星が私の代わりになったみたいだけどねぇ」
ミツバはため息をつきながら座布団に座り、畳の上の長テーブルに並べられたパソコンに向かった。
自作のPCで内部に緑色のLEDが搭載されている。
他にもMac ProやASUS Vivoなど拡張性が高いデスクトップが用意されており、4台のEIZO FlexScanに接続されている。
「店はいいのか?あれじゃ盗んで下さいって言ってるようなもんだぞ?」
「問題無し。私の店は実店舗こそあるものの、基本がネットストアだから。わざわざこんなカビ臭いところに見に来る奴なんていない」
「だが現物を確認してから買いたいって客は?」
「うちは全部、新品しか扱ってない。中古で劣化具合を気にしたりする必要はない。あと価格は他より安いから、他の店で現物を見て、安いうちで注文ってのが情強」
「なるほど。儲かってみたいだな」
「で、何の用?」
「あぁ、情報が欲しい」
「情報?あぁ、シドウちゃん、今度はWAXAから追いかけられてるんだっけ。正義の味方のくせに、大草原不可避」
「…知ってたのか」
「うん、あと高垣美緒だっけ?昨日、シドウちゃんたちが捕まえてきたValkyrieの幹部も護送中に襲撃されて、逃げられちゃった模様」
「クソ…ん?しかしどうしてそんなことを?」
ミツバはキーボードを叩き、次々とウィンドウを立ち上げていく。
その中には普段見慣れた検索エンジンのページがあった。
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