暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
54 埋められていくピース
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彩斗はブルーのスキニージーンズに薄いストライプの入った七部丈のブラウス、そして黒のジレベストに昨日と同じ中折れ帽子、メリーは薄い青のドレープパンツに所々にピンクの模様が入った白いキャミソール、その上に薄い緑色で半袖のリネンシャツを着ている。
全て部屋のクローゼットにあったものだ。
彩斗とメリーも自分たちのサイズに合わせたものばかりだったため、かなり驚いたが新しい服が手に入ったことへの喜びが勝った。

「すいません、待たせて」
「ううん。大丈夫」
「でも...アイリスちゃんも着替えた方が...さすがにこの気温でその格好は違和感があるよ」

アイリスは彩斗に言われて自分の服を見直した。
薄いピンクのふわふわとしたリボン付きで丈の長いドレススカートにワインレッドのブラウスといった具合だ。
いわゆるゴシックロリィタ系というのか、その人形のような容姿と相まって、すれ違った者を振り返らせてしまうくらいの家柄のいいお嬢様のような魅力を放っている。
しかしそれ以上に、気温が30℃を超える今のデンサンシティにおいては見るからに暑そうで違う意味で注目の的になりかねない。

「ハートレス、このコピーロイドって服を着せ替えられないのか?」
「この服はこの娘の外装データが再現されたもので彼女の一部よ。無理に脱着させようものなら再現しているコピーロイドが壊れるわ」
「私はいいの。別に暑くないし。汗もかかないから着替える必要も無いし」
「でも...」
「見てるこっちからすると、かなり暑そうですよね...」
「ドレスアップチップならそこらのお店で売ってるでしょう?」
「ドレスアップチップか...」

ドレスアップチップとはネットナビの外装データの入ったチップだ。
自分のナビをデコレーションしたいというオペレーター、そして発達した擬似人格からお洒落を楽しみたいという欲求を持ったネットナビ、両者の希望を叶えるために生まれたもので、ここ数年で爆発的に広がった。
これまでもネットナビのデコレーションするチップは無かったわけではないが、端末を使い始める子供の低年齢化や技術的な限界を迎え、性能的な部分ではない付加価値を求める企業の考えもあり、大手のファッションブランドなどと提携した本格的なものが多くなっている。
アイリスの外装データをこれを使って変更すれば、その身体を再現しているコピーロイドの方もそれに合わせて衣装が変わる、すなわち着替えることができるはずだ。

「ちなみに用意は無いわよ」
「じゃあ、買ってくるしかないか」
「最近だと洋服屋さんに行けば売ってるみたいですよ」
「そうなんだ」
「実際にナビを立体映像で表示して、着せ替えできる試着室みたいなものもあるんですよ。最近ではオペレーターとナビがペア・ルックするのも流行ってるみたいだし」
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