精神の奥底
54 埋められていくピース
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『シドウ、9時です』
「んんん…あぁぁ…」
アシッドの声とアラーム音でシドウは目を覚ました。
久しぶりによく休めたという感じで起きたばかり特有のだるさはあるが、気分はすっきりしており、ベッドから飛び起きると冷凍庫から冷凍グラタンとハンバーグを解凍時間も確認せずに放り込む。
そしてテレビをつけた。
「あの後、何か動きは?」
『2時から3時に掛けて何度かスターダストの反応を検知しました。正確な居場所のを探知しようとしましたが、かなり微弱な反応で大まかな位置しか絞り込めませんでした』
「どのあたりだ?」
『それがデンサンシティ中に散らばっていて、どのあたりと言われると難しいのですが…一晩の間に街中を移動して何かをしていたようです』
「反応が微弱だと言ったな?それはスターダストが弱ってるってことか?」
シドウは顔を洗いながら、アシッドに自分が眠っている間のことを尋ねる。
アシッドも休んでいたが、やはりスターダストの反応を感じ取った時は目を覚ましたようだ。
『いいえ。むしろ強くなっている、力のコントロールが上達した為に自分の反応を微弱にして居場所を特定されにくくできるようになったということかと』
「昨日の今日でここまで扱えるようになるものなのか?最初に現れてからまだ1週間も経ってないのに」
『よほどウィザードと相性が良かったということか、もしくは電波変換そのものに適した資質を持っていたか…どちらにせよ、進化のスピードは想像を遥かに超えています。敵か味方かはっきりしていませんが…』
「万全の状態でない今、ぶつかることがあれば、勝ち目があるかは限りなく微妙だな」
不安を覚えながら、ものの数分でレンジの中の物を口に含んで牛乳で押し流し、歯を磨く。
『今から何をするつもりですか?』
「とりあえず情報収集だ。街の現状とValkyrieの動向が知りたい」
歯ブラシを咥えたままシドウは窓から川を挟んだデンサンシティを見た。
そして次に着替える。
さすがにサテラポリス、それもWAXAの腕章のついたジャケットにジーンズを着るわけにはいかない。
幸か不幸か、インターネットがダウンしているため、それに依存していた捜査機関の情報共有は遅れていると思われる。
いきなり街中でパトロール中の警官とすれ違ったからといって、捕まることはないだろう。
だがValkyrieが相手とはいえ、全身武装や迷彩柄のサバイバルファッションでは全く別件で職務質問される可能性がある。
可能な限り街中を歩く人々、特に年齢相応の若者に打ち解けるような格好を選ぶのが無難だ。
「ん〜これ、コレ、あとコイツか」
軽量で薄型の防弾チョッキを着こみ、その上から黒のTシャツ、少し丈の長い白のリネンシャツにスキニージーンズ。
シンプルだが、リネン
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