3部分:第三章
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第三章
「まさかと思うけれど」
「遂になのね」
「あんたも」
「それじゃあやることは」
「ええ」
周りの言葉に頷く敦子だった。
「けれど私は」
「あのね、当たって砕けろよ」
「何度も言うけれどね」
「まずはそれよ」
こう言うのである。
「いいわね」
「告白・・・・・・」
「要は体当たり」
「それしかないわよ」
「そして武器は」
話が半分戦争になっていた。
「笑顔か贈りものか両方か」
「いいわね」
「笑顔に贈りもの」
それを聞くとであった。敦子はまずは言葉を止めてしまった。
「それは」
「だからそこで落ち込まない」
「落ち込んだら負けよ」
皆で敦子に言うのだった。
「まずは前に出る」
「いいわね」
「前に」
「そう、前にね」
「出るのよ」
それからだというのだ。
「最初はそれからよ」
「いいわね」
「じゃあ」
敦子の背中を押すようにして述べた。そうしてだった。
実際に背中を押した。すると。
敦子は前に出てだ。秀典のところに来たのだった。既に彼の周りには多くの女の子達がいた。その女の子達は敦子を見てはいなかった。
あくまで秀典を見てだ。そしてそれぞれ笑顔や贈りものを向けていた。
「ねえ、一緒に踊りましょう」
「よかったらこれどう?」
「ねえ、どうかな」
「私とね」
「私とよ」
「ちょっと待って」
だが秀典はここで彼女達に言うのだった。
「それはいいから」
「いいからって」
「どういうことなの?」
「まだ曲ははじまっていないよ」
まずはダンスについての話だった。
「それにね」
「それに?」
「プレゼントは有り難いよ」
それはだというのだ。
「けれどね」
「えっ、貰ってくれないの!?」
「また」
「御免、僕は一人だけしか貰わないから」
それが理由だった。そしてその理由の理由も話すのだった。
「本当の相手のしかね。それに」
「それにって」
「まだあるの」
「ふらふらとして貰いたくはないから」
こう言うのであった。
「だからね」
「ふらふらとしてってことは」
「つまり一人の人を大切に思いたいってこと」
「そうなのね」
「気障な言い方だけれど」
それでもどうだというのであった。
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