第10話 過去と現在の違い
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ュイアは居住区を離れようとしているルイン達を呼び止めようとした時、非戦闘モードから元の姿に移行したのを見てしまったのだ。
「貴様ら…ネオ・アルカディアの居住区で何をしていた!?」
返答次第では許さないと言うのがハルピュイアの表情と、握り締めているブレードから見て取れたが、隠す必要もないのでルインはあっさりと返答する。
「何って…買い物だけど?」
「はあ?」
ネオ・アルカディアの居住区で何か仕掛けたのかと危惧していたが、即座に返ってきた返答は“買い物”という単語と品物が入った紙袋であった。
思わず気が抜けた声が出てしまったが、それは仕方ない。
「買い物…だと…?曲がりなりにも敵地で、か…?」
「うん。だって仕方ないじゃない。シエルは私達レプリロイドと違って人間なんだよ?ちゃんと食事を摂らないと体を壊すし、病気になった時に薬がないと危ないし、年齢を考えれば衣服も必要でしょう?それに寒い場所に行く時とかのために防寒具も買わないと。人間用の物が売ってる場所なんてネオ・アルカディアの居住区くらいじゃない。私、何か間違ったこと言ってる?」
「ぐっ…い、いや…間違っては…いない」
現在、コピーエックスの代わりとしてネオ・アルカディアの統治者代行となり、人間の生活にも目を向けているのでハルピュイアからしてもルインの言葉は正論その物だった。
「でしょう?」
「あのハルピュイアが言い負かされてる…」
信じられない物を見るかのようにシエルはルインとハルピュイアを見つめる。
「ふふ…ネオ・アルカディアの居住区を見たよ。平和で笑顔が満ちていたね…買い物の途中で聞いた話題も夕食のことや明日の予定とか、昔以上に理想郷って感じ……人間限定でね」
「っ……」
それを言われたハルピュイアは痛いところを突かれたとばかりに表情を歪めた。
「ハルピュイア、私はずっと眠っていたから統治者時代のオリジナルのエックスのことは何も知らないけどね。私の知るエックスはいつも人間やレプリロイドの未来を考えていた。今のネオ・アルカディアの姿をエックスが見たら、喜ぶと思う?君もオリジナルのエックスに仕えていた時期があるんでしょう?」
「…ああ」
当然ハルピュイアはコピーエックスのオリジナルにも仕えていた時期がある。
そしてオリジナルのエックスならば今のネオ・アルカディアの現状をどう思うかも、それくらいのことは分かるくらいの時間は共有していたのだから。
「なら、どうしてまだこんな極端過ぎる政策を続けるの?シエルが言っていたようにエネルギーの問題?」
「…そうだ…かつての戦争によりエネルゲン水晶などのエネルギー資源が枯渇する寸前なんだ。新たなエネルギー資源の開発の目処も立っていない現状では今
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