第二百九十三話
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第二百九十三話 梨花の思うこと
梨花はふとだ、自分の部屋でピエールとジュリエッタにこんなことを言った。
「最近の私の魔法どうかしら」
「ご主人様の土の魔法ですか」
「それのことですか」
「何かね」
自分のその魔法を振り返りつつ言うのだった。
「最近今一つな感じがするけれど」
「別にそうは思いませんが」
ピエールはこう主に答えた。
「私は」
「私もです」
ジュリエッタも言う。
「特にそうは」
「そうだといいけれど」
「はい、いつも通りです」
「ご主人様の魔法はいいです」
「安定して高いレベルにあります」
「だからいいのでは」
「待って」
使い魔達の言葉を聞いてだ、梨花ははっとして言った。
「今貴方達安定しているって言ったわね」
「はい、確かに」
「そうですが」
「それが何かありますか」
「何処かおかしなことが」
「わかったわ、安定しているってことは」
梨花は眉を顰めさせた、その整った可愛らしい眉を。
「つまりそこで止まっているのよ」
「そのレベルのままですか」
「進歩がないというのですね」
「そうだったのよ、何か皆ね」
クラウンのメンバーのことも言うのだった、彼女達のことを思い出して。
「最近凄くよくなってるけれど」
「ご主人様はですか」
「安定、つまりそのままでおられる」
「だからですか」
「他の方と比べて」
「ええ、今一つに思えていたのよ」
だからこそというのだ。
「それでだったのよ」
「左様でしたか」
「つまりは」
「それじゃあ」
ここでだ、梨花は言った。
「私もこれからね」
「魔法の勉強をいつも以上にされて」
「そのうえで」
「魔法の腕を上げるわ」
こう言うのだった。
「そうするわ」
「では」
「及ばずながら」
使い魔達も応える、こうして梨花も勉強を集中的に行いはじめた。
第二百九十三話 完
2015・11・28
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