四話 渇き
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4話 虐殺
狂夜と紫は人里から離れ、『魔法の森』と呼ばれる場所に来ていた。
「人里の人に教えてもらったんだがこの辺に特殊な物を扱ってる店があるらしい...あった。あれだ。」
狂夜は質素な木造建築の家を指さして言った。
扉の前で止まり、ノックをする。
だが、中から声一つ聞こえない
しかし何故だか狂夜は人の気配を感じていた。
「...とりあえず入って見よう。」
狂夜がドアノブに手を当てた瞬間に感じた僅かな熱気、少し前に誰かが入ったようだ。
感じたのはそれだけではない、耳に届く微かな呻き声、鼻を燻る不快感の塊のような血腥い臭い。
狂夜は意を決して、ゆっくりと扉を開く。
そこでまた、視界さえも不快に落ちた。
荒れた店内。
茶色の毛が全身に余すことなく生えた狼のような巨大な男が、眼鏡をかけた白髪の青年の首を絞めていた。
青年は頭から血を出してはいるが視線だけで狂夜達を見るや「逃げろ...」と小さく声を絞り出す
狂夜は感じた、自らの様々な感情を
憎悪、怒り、恐怖、不快感、不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感不快感。
狂夜は頭を抑えて唸る。
不快感と共に新たなる物を見つけてしまった。
ー渇き
妖怪は青年の首を絞めるのをやめた。
狂夜を見て、動きを停止する。
新しい獲物を見つけた?違う。
恐怖に身を侵されてしまった。
ゆっくりと狂夜から視線を外すと逃走を選んだようだ。
狂夜から遠ざかるようにして窓を破り、逃走をはかる。
そうするつもりだった。
窓を破った瞬間、そこにいたのは新月狂夜。
妖怪がそれを認識した頃には、もう遅かった。
鋭い打撃の痛みと共に肉体が後方に吹き飛ぶ
圧倒的な速度によって妖怪の身体は壁を抜き、森の奥へと吹き飛んだ。
狂夜もそれを追うように走る。
「狂夜さん!」
紫の静止の声は彼には届いていなかった。
___________________________________
妖怪は木をなぎ倒しながら吹き飛び、やがて大木にぶつかって静止する。
妖怪は起きあがり、大きい声で吠えた
「GYAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaa!!」
「…」
狂夜は冷酷な目を浴びせる。
まるで、生物として認識しているのではない。
その目はゴミを見ていた。
恐怖より生存本能が勝ったのだろう。
妖怪は雄叫びをあげて牙を剥き狂夜に突進する。
狂夜は避けようともせずただ見ていた。
妖怪が左腕を噛む。
噛んだ瞬間に勝ち誇ったような顔をしていた。妖怪の顔は驚愕に変わる
狂夜は
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