第15話グリセルダの亡霊
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ようとしなかった。そして服の耐久値が減ってくのを確認しながら会話を続け、タイミングを見計らって「外から飛んできたダガーが刺さった」、という演技をする」
強いて言えば、オレが彼女から目を離さなかったら絶対に成功しなかった。
「ってことは、黒いローブの男は・・・」
「十中八九、グリムロックじゃない」
「完全に死んだと想われていたカインズさんだ」
ヨルコさんとカインズさんはこの方法を使えば、死亡を偽造出来るんじゃないかと思いついた。しかも《圏内殺人》という恐るべき演出を付け加えて。
「そしてその目的は、指輪事件の犯人を追い詰め、あぶり出すこと。二人は自らの殺人事件を演出し、幻の復讐者を作り出した」
「シュミットのことは、最初からある程度疑ってたんだな」
「そして、ヨルコさんの殺人演技で確信した」
シュミットはグリセルダさんの死に関係している。そして焦った彼が行く場所に向かいーーー多分死んだグリセルダさんやグリムロックさん演じて問い詰める。
「なあ、ヨルコさんとフレンド登録したままだろ?」
「あっ」
キリトが確認してみろと言わんばかりにアスナさんに言う。フレンドリストを確認するとーーー
「今、19層のフィールドにいるわ。主街区から少し離れた、小さい丘の上」
「確か、《十字の丘》・・・だったな」
「そうか・・・とにかく後は彼らに任せよう。俺たちのこの事件の役回りはもう終わりだ」
とりあえずオレたちがこれ以上動く必要はない。後はヨルコさんたちがシュミットさんをどうするかだな。
「二人ともお疲れさん。ライリュウ、早く帰ってやれ」
「ミラちゃん待ってるよ?」
「ああ、わかってるよ。じゃあな」
昨日のPoHの件で散々心配掛けちまったし。早く帰ってやんねぇとな。
後日聞いた話では、グリセルダさんを殺したのはグリムロックさんから依頼を受けたラフコフだったらしい。キリトの奴、自分とアスナさんだけ残ってオレを守ろうとしてたのかよ。ーーーオレもいつか、乗り越えなきゃいけない。あの恐怖をーーー
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