第15話グリセルダの亡霊
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
・グリセルダの幽霊だ!俺たち全員に復讐に来たんだ!・・・ははっ、幽霊だったら《圏内》でPKするくらい楽勝だよなァ?」
そこまで言って狂ってしまったかのように大笑いするシュミットさん。幽霊?そんなバカな話あるか。お化けみたいなアンデット系モンスターならまだ解るけど、死んだプレイヤーの幽霊が《圏内》でPKなんてこと、あの茅場でもやらない気がするぞ。
「幽霊じゃない、二件の圏内殺人は絶対にシステム的なロジックが存在するはずだ。・・・絶対に」
「・・・ああ、そうだよなキリト」
キリトの言葉にそう返すオレ。確実にーーー何かトリックがあるんだ。
******
宿屋を出て街の中心部にオレとキリト、アスナさんの三人は来た。シュミットさんは《聖竜連合》の本部に帰ったことだろう。
「さっきの黒いローブ・・・本当にグリセルダさんの幽霊なのかな?目の前で二度もあんなのを見せられたら、わたしにもそう思えてくるよ」
アスナさんとキリトはカインズさんの件と今回のヨルコさんの件で二回目だけどーーーオレ、今回初めて見たんだよな。ミラもその目で確かめようと思ってたみたいだったけど、やっぱり連れて来なくて正解だったな。亜利沙たちのこともあるし。
というかアスナさん幽霊なんて信じてるのか?こんなムードじゃなかったら『え?お宅幽霊なんて信じてんの?痛い痛い痛い痛い痛い!痛いよぉー!お母さぁーん!ここに頭ケガした人がいるよぉー!』とか『痛いよぉー!お父さぁーん!絆創膏持ってきてぇー!出来るだけ大きなぁー、人一人包み込めるくらいのぉー!』とか言ってたのに。ーーーなんか考えてるだけで不謹慎だなオレ。
「いや、そんなことは絶対にない」
「あ?あ、ああそうだよな。そもそも幽霊だったら、さっきも転移結晶なんか使わないで・・・・・・ん?」
転移結晶?
「どうしたの?」
黙り混んだオレにアスナさんが声をかける。
「いや、なんでもない」
オレはそれだけ言ってキリトと顔を合わせる。キリトも同じことを考えていたみたいだけどーーー
「・・・腹減ったァ」
急に腹が減った。こんな時ではあるけど人間は食欲には勝てない。そういう訳でオレは朝ミラからもらったおにぎりを出した。
「ほら」
「ん?くれるのか?」
「この状況でそれ以外何があるの?見せびらかしてるとでも?」
「じゃ、じゃあありがたく・・・」
そんなオレを尻目にアスナさんがキリトに何かの紙の包みを渡していた。
「そろそろ耐久値が切れて消滅しちゃうから、急いで食べた方がいいわよ」
その包みの中身はなんと美味しそうなバケットサンド。厚切りの肉や赤い小さな木の実、黄色いクリームに葉っぱが数枚。見
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ