第9話 成就
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るとすれば、ネオ・アルカディアに対する過剰とも言えるほどの攻撃性と、ゼロとルインのような現場での実戦経験が不足している程度と言ってもよかった。
敵に対する攻撃性はレジスタンスの設立経緯と彼らの境遇を考えれば当然のことで欠点とは言い難く、寧ろ味方の士気を保つのに都合が良いと言えた。
現場での経験不足と言っても、レジスタンスとネオ・アルカディアの戦力に差がありすぎるので当然である。
これはシエルを含めた他の古参のレジスタンスも大差がない。
ルインやゼロ、エルピスの間にはネオ・アルカディアの戦力に対する認識の差異があった。
その差異とはネオ・アルカディアの持つ戦力規模に関する見解であり、この差異はエルピスがレジスタンスとして各地で実績を上げてきたのに対して、ゼロは一年もの間、戦闘に関しては素人であったシエル率いる古参のレジスタンスを守りながらネオ・アルカディア軍と戦い、最後には敵の本拠地に乗り込んで死闘を演じた。
そしてルインは一度きりとは言え、シグマ率いるイレギュラー軍と死闘を演じ、それ以前にも特A級のイレギュラーハンターとして凶悪なイレギュラーとの戦いを生き抜き、そして今回の戦いでの経験からだ。
ネオ・アルカディアの戦力に関する正確な情報はレジスタンスには存在しないため、その見積もりはどうしてもそれぞれの持つ印象に左右されるため、その見解の違いが今の自分達とエルピス達との溝となっているわけだ。
「仕方ない。シエルに頼んで言ってもらおう。それしかない」
そう決めてスリープモードに移行しようとした時、ルインの通信機が鳴った。
「え?私に通信?でも誰からだろう…ゼロかシエルなら、直接来ればいいし……こちら、ルイン」
取り敢えず通信を繋げるが、通信の相手に驚愕することになる。
『…やあ、ルイン』
「え…!?エックス…っ!!」
思わず叫んでしまいそうになるが、ここがレジスタンスベースであることを思い出してすぐに辺りを見回す。
気配がないことから周囲には誰もいないようだ。
「はあ…脅かさないでよエックス」
『あはは…ごめんね。そんなつもりじゃなかったんだよ。サイバーエルフの状態で通信出来るのか分からなかったけど、通信出来て良かった…』
「サイバーエルフ…。ねえ、エックス。そんなことして大丈夫なの?無理してない…?シエルがレプリロイドがサイバーエルフの状態で活動するのは危険だって…」
『大丈夫だよ。サイバーエルフとしての力を使わない限りは平気だから。』
「そう…良かった。でもどうしたのエックス?私に通信を寄越すなんて」
『うん…その…君さえ良ければなんだけど…今、会えないかな?』
「え?」
『あ、今が無理なら無理と言ってくれていいんだ。無
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