第05話 鎮守府への帰還
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ってみたがボクダン少将から一切の反応無く、知らないと答えられた。それからは艦娘、深海棲艦という敵、俺の居た所以外に鎮守府等が無いかを探ってみるが、こちらも一切の反応はなかった。本当に知らないのか、それともボクダン少将の表情を俺が読み切れていないのか……。
捕虜たちを下ろす予定の島に到着するまでの6時間。俺とボクダン少将と虚実を交えた話し合いは続いた。ボクダン少将からは色々とこの世界についての話は聞けたので、後はその話を鵜呑みにはしないで、真偽を確かめるために他に信頼できるような情報源を探して比較することが必要だろう。
島に到着するなり、甲板に座らせていた捕虜たちが逃げるように艦から降りて上陸していった。兵たちは背を伸ばして身体をほぐしたり、友人たちと上陸を喜び合ったりしている。ただ、一番最初に騒動を起こしてから以後は一切問題を起こさなかったので助かった。
捕虜が全員下船すると最後にボクダン少将が艦から降りていく。
「最後までお見送りありがとう、平賀少将」
「礼には及びません。海軍本部への帰還までお気をつけ下さい、ボクダン少将」
表面上は互いに敵意が無いとにこやかに笑い合い、別れの握手をする。だけど元々は海上で敵として出会って戦闘に入ってしまい、勝者と敗者に分かれることになってしまったので思うところが有るだろうけれど、ボクダン少将は柔らかい笑顔を浮かべていて表面には出さないで、悪意を一切感じさせられなかった。
しかし、ボクダン少将の後ろで控えている海兵たちは俺の方を憎々しげに見ているので面倒事が起こらないうちに早くココを離れたほうが良いだろうと判断し、ボクダン少将に別れを告げて立ち去る事に。
そして捕虜としていた人達を下ろした後、鎮守府に帰還することを決めてすぐに帰路に就くことにした。
予定とは大きく違っていたけれど、初戦闘で初勝利を手に入れることができ、海兵という存在を知ることができ、そして戦利品を手に入れることができた。
さらには、鎮守府回りの海図、海賊という存在、幾つかの情報も手に入れたので鎮守府から思い切って出てきたのは大正解だっただろう。
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