表裏
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けどね。で、そんな風に活動をしてきたから、管理外世界では王様達の顔が広く知られとるらしいわ。PMCとしてもコネが出来る訳やからある意味、管理局よりも認知度が高くなってるで」
それに以前のファーヴニルの件もあって、今では地球のように次元世界の存在を知っている管理外世界の数が非常に多くなってきている。そしてそういった世界の国や組織は“管理世界に入ると管理局の庇護を受ける代わりにその世界の武器や兵器、国や組織などが全て解体されて、技術や文化も管理局の下で統一される”というやり方に強い反感を持っている事が多く、管理局員が訪れたら露骨に煙たがられる風潮が広まってしまってる。でも王様達PMCの人間が来たら、一転して歓迎されるらしい。羨ましいこっちゃ。
まぁ……彼らがそうやって態度を変えてくるのも一応理解できるんやけどね。例えば技術の発展によって次元世界という新しいフロンティアに行けるようになったと思った時、次元世界に君臨している管理局から頭ごなしにいきなり武装解除や技術提供とか色々命令してきたら、そりゃあ怒るのも当然や。しかも王様達経由でニダヴェリールの真実も全て知られてるから、彼らの管理局に対する不信感はますます募っている。膨らみ過ぎて爆弾のようになったそれがいつか爆発するんじゃないかと思って、皆も不安に感じてるらしい。
だって、下手したら地球が管理局の敵に回る事だってあり得るんやから。そうなったら私達は故郷と敵対するか、管理局を脱退して敵対するか、立場上そのどちらかを選ばなくてはならなくなる。そんなの、すぐに決められる訳がない……。だから私達はどちらに味方するかわからないけど、王様達はどうするんやろう? いくらPMCでも味方する陣営の選択権は個人にあるはずやし……できれば味方になってほしいけど、やっぱその時にならないとわからへんな。
そうやって情報交換をし終わった事で本局に戻ろうと席を立った時、ふと何かを思い出した様子でカリムが訊いてきた。
「そうそう、訊き忘れるところだったわ。はやて、ニッポンの人達はカエルをスシや天ぷらにして食べるそうだけど、本当なの?」
「はぁ!? 一体誰から聞いたんや、その話!?」
「マキナさんが早めに送ってきた年賀状から」
「あの子日本を勘違いしてるんちゃうの!? そりゃあ確かに食べる所もあるかもしれないけど、皆が皆食べる訳やあらへんわ!」
「でもサバタさんからそう聞いたって書いてあったわよ?」
「勘違いの根源はサバタ兄ちゃんやったんかい! ……って、あれ? ちょ、ちょい待ちぃ……確か兄ちゃんは時々料理を作ってくれた事があったけど……ま、まさか……?」
もしかしたら知らず知らずの内にカエルを食べてたかもしれないと、お腹をさすり……考える事をやめた。うん、知らぬが仏や。
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