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リリなのinボクらの太陽サーガ
表裏
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かしその途中、ブレーカーを戻されて研究所内の通電が復活してしまう。安堵した様子の研究員が戻ってくるのを正面に捕らえた私は、咄嗟に“秘伝の装備”を取り出してそこに隠れる。

「ん?」

目の前から来た研究員が廊下に不自然に置かれた“それ”に気付き、首を傾げる。ここにあるはずがない物を見て訝しむ彼は、軽くそれを蹴って向きを変え、穴から中身を確かめようとしゃがむものの、暗闇で上手く見えなかった。そしてそれを両手で掴んだ彼はゆっくりと持ち上げ……、

「てぇっ!!」

中から飛び出てきた私にCQCで吹っ飛ばされて意識を失った。そのまま私はさっきまで隠れ蓑に使っていたそれ、“ダンボール”を回収して脱出を再開する。

「なんか……信じられねぇ光景を見た気がする……」

融合騎が何か言っているが、私は無視した。やがて意識を取り戻した彼らが研究所の異常に気付いた頃、私達は敷地内から既に脱出を果たしていた。






「……なんだ、このチリチリとした感覚……もしや?」

ある筋で購入した“トライアンフ”にアウターヘブン社製の魔導エンジンとワイヤーフック、月村製の次元移動システムを搭載した私用のバイク“ダークハウンド”で山道を越え、研究所から数キロ離れた位置まで走り、唐突に寒気が一瞬走った私はその辺にあった岩陰で一旦バイクを停めて降りる。荒野の風が肌を撫でる中、私はスーツに隠していた融合騎を水をすくうように外に出して、平らな岩の上にハンカチを敷いて寝かせる。

「先に言っておくと、質問や疑問、要望は後で受け付ける。私はマキナ・ソレノイド、君の名は?」

「……烈火の剣精、アギト」

「アギトね……覚えたよ。とりあえず今から君の身体を検査させてもらう」

「検査?」

「そ、なんか嫌な予感がしてるから、念のためにね」

そう言って検査魔法をかけると、アギトはされるがままと言った様子で大人しくしていた。それで数秒後、シャマル直筆の教科書にあった特殊な検査魔法を使った結果だが……やはり予感は当たっていた、それも嫌な意味で。

「落ち着いて聞いて、アギト。君の身体の中に、デバイス用の自爆魔法が埋め込まれてる」

「じ、自爆魔法!? そんな……どういうことだよ……!?」

「多分、奪われた時の機密保持のために仕掛けていたんだろう。恐らく次元間を移動するか、研究所から出て一定時間が経つと体内から爆発する仕組み。しっかし君みたいな可愛い子にこんな罠を埋め込むなんて、随分酷い事するなぁ」

「……やっと地獄から助かったと思ったら、アタシには結局こういう末路しか無かったんだな……。でも……せめて助けてくれた恩人だけは巻き込みたくないから、あんたはアタシを置いていってくれ。アタシはもういいから……」

「おっと
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