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リリなのinボクらの太陽サーガ
表裏
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スタンガンと同じ電圧が身体に流れた彼は呻き声を上げ、気を失ってその場に崩れた。

ここに来る過程でわかったが、研究所内部は隠れる場所が少ない。この場合は変装した方がバレにくいと思って、ちょっとだけすまないけど……彼の服を脱がしてロッカーに詰め込んだ私は奪った研究員の服を着た……のだが、こりゃ駄目だとすぐに脱いだ。

サイズの差もそうだが、何より男には無くて女にはある胸部の膨らみが、白衣ではどうしても隠せなかった。仕方ない……今着ているリキッドの私兵部隊(カエル兵)と同じスニーキングスーツでこのまま行くしかないか。
言い忘れてたけど気持ち的に嫌なので、ヘルメットは取り外しているし、SOPナノマシンも注入していない。そのため支給品のサブマシンガンP90やハンドガンFive-seveNもシステムを使っていないので使えず、せいぜいマチェットが使える程度。といっても麻酔銃M9とレックス、スーツの筋力強化性能で十分なので実の所あまり必要ない。最新装備のオクトカムがあれば潜入も少し楽になるが、アレ結構値段が高いからなぁ……。そっちはGMPを稼ぐまで我慢するしかない。

「探索の前に地図か何かあれば……お、良い物発見」

通信装置には差さったままの記録端子と、その隣に内部のどこで実験が行われているか記された見取り図があった。端子は抜き取って確保し、見取り図は地図として使えると思って情報を端末にコピーする。

さて……記録端子が手に入ったから任務を終えて帰っても良いんだけど、ベルカの融合騎がどうしても気になる。だから融合騎が囚われているだろう実験室へ行く前に、私は研究所の電源の所へ向かった。実験中のためか研究員が廊下をうろついていないため、電源まで意外と簡単にたどり着けた。そこでゴウンゴウンと研究所内に電気を送っているブレーカーを、カチッと降ろして研究所の通電を止める。

「なんだ? ブレーカーが落ちたのか?」

「おい、誰か確認に行ってこい。もしブレーカーが落ちてたら上げてくれ」

「はいはい、わかったよ。……ったく、人使いの荒い上司だ……」

当然、電源が落ちたら研究員も異常を察知して動き始める。しかし暗闇では彼らもあまり見えていないため、廊下の正面から向かって来ても隅で寝転がっていれば見つからずやり過ごせる。そうやって実験室へ向かい、研究員がたむろってるだろう観察室にスタングレネードを投げ込む。真っ暗な中に突然閃光を直視し、甲高い音を聞いてしまった彼らはたまらず気絶する。見張りがいなくなった事で実験室内に入った私は、?の形の寝台に磔にされている赤い髪で露出過多な服装の小さな融合騎を発見した。

「う……? あ……あんたは……」

「シッ! 静かに……外に出るよ」

囚われの融合騎をスーツの中に隠し、外へと足早に進む。し
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