表裏
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はまさに……髑髏だった」
「あの男の部下も、なんか様子が変だったよな。何て言うか……ゾンビみたいにおぼつかない足取りをしてた」
「復活した髑髏が率いる死者の部隊か……まるでホラーゲームだ。あ〜やだやだ、思い出すだけでゾッとするぜ……」
「ところで、融何とか……ユニ何とか……のデータがどうのってあの時聞こえたけど、中で行われてる研究って、結局何なんだ?」
「それはわからんが、おまえ……変に首を突っ込まねぇ方が身のためだぞ。働いて報酬をもらって暮らす……それで十分だろう。悪を許さず身を粉にして他人のために戦う、なんて綺麗事は最近話題の管理局の白いエースみたいな連中だけが出来る話だ」
「まったく、小学生は最高だぜ!」
「おい……おい……」
「同期にロリコンがいたのはいいとしてだ……何の取り得も無い俺達を雇って、良い給料を払ってくれる場所なんてここぐらいしかないよな。さて、愚痴ってないでそろそろ警備を再開しようか」
警備員の会話から彼らの事情がうかがえるが、私は私の任務を果たすだけだ。話に出てきた“髑髏の男”が気になるが、今は置いておこう。巡回路を歩き出した彼らの向こうに、研究所内部へ通じる扉が見える。ここで見つかったら後の潜入が困難になるに違いないから、絶対見つからずに行くべきだ。
ホフクで倉庫の下を潜り、警備員が通り過ぎるまで隠れてから再び移動……良い感じに扉までの道の警戒が薄くなった頃合いを見計らって、私は姿勢を低くして扉に接近、ピッキングで錠を開けて施設内部への侵入に成功する。
「次の実験までに、要望されたデータの送信をしておくか」
廊下の向こうから研究員が呟きながら歩いていた。何の当てもなく施設内部を歩くのは危険なので、彼を道しるべに隠れながら付いて行く。やがて通信室に入った彼は装置に記録端子を差し込み、どこかへデータを送信していた。
「やれやれ、接触した対象のリンカーコアの有無を識別するコードなんて、一体何に使うんだか……」
ブツブツ呟く彼のその隙だらけの背中へ、私は一気に迫る。
「ッ!?」
レックス・スタンナイフモードを手にした私の姿を見て、研究員は咄嗟にその腕を防ごうとする。しかし勢いや力の差を覆す事は出来ず、後ろに回り込んだ私は彼の首筋にナイフを突きつける。
「動くな……!」
「スパイか!? くそ……!」
「ここで何をしている? 言え」
「チッ……! 古代ベルカの……融合騎を使ったデータ収集……!」
「古代ベルカの融合騎? そいつに何を……ッ!?」
瞬間、施設内部で何か大きな機械が動くような振動が走り、警戒した私の腕から研究員が抜け出そうとする。そうなる前にCQCで彼を投げ飛ばして壁に叩き付け、スタンナイフの電撃を浴びせる。
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