『笑い、泣く』
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舞と桜の、おなかの虫がハモる様に部屋に響いた。
全員が堪えきれずに笑った。
『おっしゃっ!飯食うぞ!』
食料は準備されてた。
組長は、手慣れた感じでホットプレートで焼ソバを作った。
誠は、もうひとつのホットプレートで肉と野菜を焼いていく。
弁当のおかずは皿に並べ入れる。
白米は個人の茶碗に入れる。
炊きたての白米は炊飯器に在る。
買ってきたオニギリも在る。
肉まんから総菜パン、菓子パン、珍味、つまみ系のおかず、菓子類まで...
いっぱい在った。
最後に皆ドライが配られた。
とにかく飲もう。
とにかく食べよう。
とにかく笑おう。
そして、やっぱり泣く。
何の涙なんか...
悲しくはない。
辛いわけでもない。
痛くもない。
...じゃあ何故...?
何故泣く...?
罪の意識に苛まれ?
そんな馬鹿な。
そんな意識あるなら殺さん。
じゃあ何故...?
皆に迷惑かけたなって?
それはあるよ...
迷惑かけっぱなし...
取り返しのつかん事まで...。
解ってる。
零にとって大事なのは零じゃない。
零にとって大事なのは仲間。
仲間の安全、安心、笑顔。
1番心配なんは舞。
舞が本心で平気と言えるなら...
心からの笑顔なら、それだけで充分だと想える...
大丈夫...
皆、食べながら、飲みながら、笑えてる。
決して平気な筈が無い。
自分が殺したわけじゃなくても、遺体を生で見るのはキツイ。
此の人達の世界も、こんなことが起こってるのは事実だろう...
でも、それでも、平気な人は此処には居らんやろう...
人情深い
愛情深い
此の組の人間なら
イタミを抱えながら
見えん涙を流しながら
生き抜く為に
組を
組長を
組員を
守る為に
仲間を
愛を
守る為に
選択すべき事も...
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