【IS】もしも一夏が疑り深かったら
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の波に隠れて消えていきました。噂によると首吊りしたり闇金に手を出さざるを得なくなったりする人が沢山出て………」
「ソースはどこですか?」
「ないです。ISの負の面を強調するような情報は嘘も誠もIS委員会の威光で叩き潰されました。もう、噂しか残っていないんです……」
「この世界はいつからディストピアに!?」
世界征服は既に終わっている――そんな言葉が頭をよぎる一夏だった。
B貧富の差を悟る
「山田先生、質問があるんですけど……」
「はい!何ですか一夏くん?」
一夏は、どこか真理を察したような鋼のように重苦しい声で質問した。
「アラスカ条約に加盟した国家の数、いくつでしたっけ」
「21か国ですね!」
「国際連合加盟国の数、いくつでしたっけ」
「……193か国ですね!」
「もう一つ聞いていいかな」
唸るように低い声で、一夏は山田先生を睨み付けた。
「加盟国21か国と残り172か国の貧富の差、どうなった?」
「――君のようなカンのいいガキは嫌いだよ」
その日の山田先生が見せた感情の籠らない能面のような顔を、一夏は一生忘れはしないだろう。
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