【IS】もしも一夏が疑り深かったら
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に言えばIS技術者育成機関としての側面も合わせている。アラスカ条約には世界中の主要先進国や国力を持った国が批准したため、この学園には世界中の富を持った人間が集まっていることになる。
その中で1組は構成する人間の国籍のほぼすべてが日本人。
これは流石におかしいのではないだろうか。他のクラスの名簿もちらりと見てみたが、日本人の合計人数は40人近くに上る。いくら日本がIS発祥の地とはいえ、民間にISの情報はさほど出回っていないことから、これが単純な学力差によるものではないことが分かる。計算の上では1年生全体の約17%が日本人――これは異常な数字だ。
いくらなんでも日本人の占める割合が極端すぎる。しかも調べてみれば他の人種や国籍はバラバラなのに関わらず、1組だけ日本人が集中しているのだ。2,3年生はそうでもないのに何故今年だけこれほど日本人が多いのか?もしや自分が過ごしやすい環境にするための策略なのかとさえ勘ぐってしまう。
もしこれが単純な日本びいきの結果だとしたら、各国のIS事情が一変してアラスカ条約にメスが入りかねない。にも拘らずこれで通っているというのはつまり、IS委員会黙認でこのような結果になったということだ。
そして――
「1組の担任になった織斑千冬だ」
(作為的なものを感じる……!)
自分の姉がクラス担任。
偶然はいくつも重なると必然へ変わる。間違いなく平等な人事で行われたものではないと確信した。おまけに箒と俺が同じ部屋と来たものだ。推測するに、同じ部屋に要人を集めた方が護衛しやすいか、もしくは一夏への配慮か。他にもハニートラップ対策など思いつく事情がいくらかあるが、さも自然に決まったかのような物言いをしておいて実際には何もかも作為的だ。
その後、セシリアに決闘を申し込まれても一夏の疑いは止まる事を知らない。
「大体日本人など……〜〜!……〜〜!……!!」
(千冬姉、俺がクラス代表に選任されるとなった時、特に何も口を挟まなかった。これも作為的なものを感じる……)
「ちょっと!?わたくしの話を聞いているのですか!?」
クラス代表にへっぽこを選任すれば困るのは千冬である。何せ自分のクラスの評判を決める重要な役割なのだから。そして当然ながら評判が落ちれば1組全体も肩身の狭い思いをすることが出てくるだろう。そしていくらブリュンヒルデの弟だとしても俺自身はISに関して素人もいいところだ。操縦技術も知識も何もかもが足りていない。まさか無理にでも追い詰めて俺を奮い立たせる環境をつくり、男性IS操縦者の存在をアピールしつつ俺を叩き上げる腹積もりだろうか。
セシリア・オルコットが謎の日本人差別発言を開始した時にも、本来ならすぐに注意すべきだった千冬はしばし瞑目して発言が終わるのを待っていた。今に
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