【IS】もしも一夏が疑り深かったら
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「作為的なものを感じる……」
俺は藍越学園への入学を目指して確かに会場に入ったのだ。だのに辿り着いた場所がIS学園入試試験会場だったとはいったいどういう事か。そもそも、IS学園入試に貴重なISが持ち出されてむき出しの状態で置かれている時点で非常にきな臭い。
現在、日本には22個のISコアが存在するらしい。つまり、その10個は競技用や研究用にフルに使用されているのが筋であって、IS適性を調べるだけなら態々コアを内蔵したISなど用意する必要性がない。しかも、だ。よく考えてみれば入試試験以前に受験生はIS適性を予め調べているし、そもそもあの施設はISを動かす認可を得ていない。
後で調べたら受験生の意欲向上だかとよく分からない説明を受けたが、眉唾物である。やはりこれは何者かによって意図的に誘導されたと見て良いだろう。あの施設に入ってから方向感覚が少しおかしかった気がする。指向性の特殊音波によって移動方向を誘導された可能性がある。
男性である自分にISが反応したのならISに仕掛けがあった可能性も高い。ISに細工できるような人間は一夏が知る限り彼女の姉しか――
ちらり、と自分の所属する1組の教室内を見渡すと、見覚えのある顔がいた。幼馴染の篠ノ之箒だ。
「作為的なものを感じる……」
(い、一夏がこちらを見ている……私の事を覚えていてくれたのか!)
箒はIS開発の母である篠ノ之束の妹であり、政府直々の庇護を受けている重要人物である。学園にいること自体はおかしくない。だが、同じ1組にいるというのは少々おかしくないだろうか。学園は一学年に付き計8クラス存在する。つまり単純確率で同じクラスになる可能性は八分の一だ。だから箒と俺が同じクラスになる可能性は八分の一になるかというと、実はそうでもない。
何だかんだで箒は要護衛のVIPだ。そして俺もその立場に負けずとも劣らない重要人物である。つまり、表面上ランダムに見えても裏では俺と箒について様々な話し合いがあった筈だ。護衛対象をどのクラスに入れ、同じクラスに誰を入れ、護衛や面倒を見る役は誰がするかまで恐らく考えているだろう。
つまり――話し合いの結果、箒と俺が同じクラスになったのには何らかの合理的理由があるはずだ。些細な事ではあるが、作為を感じずにはいられない。
同時に俺は他のクラスの面々も見た。非常に日本人が多い。というか、9割以上の生徒が日本人だ。
「作為的なものを感じる・・・」
学園は全8クラス、一クラス約30人で構成されている。つまり1年生は240人存在することになる。そして国際的機関であるIS学園には当然ながらアラスカ条約に批准したIS産業の将来を担うエリートたちが送り込まれてくる。この地球上で現在公的なIS操縦者育成機関はここしかなく、さら
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