緑間が不遇過ぎるから全力で活かしてみた
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ろからでも火神が間に合う。それは既に第1クォーターで証明されている。
故にこの布陣がベスト。相田はそのように考えを改めていた。
しかし、そんな誠凛の策も結局は無為に終わってしまう。木吉がゴール下に戻るや否や、秀徳の攻めが変化する。アウトナンバーでのアーリーオフェンスは行わなくなり、彼らは通常のセットオフェンスへ移行していた。それも当然であろう。誠凛がこの形を取るということは、ボールが何処にあろうと緑間へのダブルチームが行われるということ。常に4対3となるのであれば、秀徳が攻め急ぐ必要など何処にもない。何よりこの状況下では、ターンオーバーさえされなければ逆転されることはない。つまり今の秀徳に求められるのは確実性。彼らはそれを忠実に実行していた。
そしてここからが誠凛にとって本当の地獄となる。秀徳がアーリーオフェンスを行わないということは、即ち緑間以外のメンバーもバックコートに残るということ。つまり緑間へのスクリーンが可能となっていた。
このスクリーンプレイ、ダブルチームをかけている2人だけではとても対処できない。それが可能ならばマンマークのままにしている。自然、誠凛は全員でオールコートプレスを強いられることとなった。
超長距離砲に関して、オフェンスの緑間はあくまでも余裕があれば打つ。それだけで良い。しかし対するディフェンスは違う。間を空ければ最後、そのシュートは確実に決まり、点差は更に広がる。故に死に物狂いで彼を止めなければならない。それほどの意識差がありながら、誠凛の体力が最後までもつ筈はなかった。
第3クォーター終了間際、誠凛は切り札を投入するも、時既に遅し。他の者の体力は既に尽きかけている。使う側の彼1人がこの状況で十分に活きる筈もなく、誠凛はそのまま敗北を喫した。
そしてその冬。秀徳高校はWC優勝を成し遂げることとなる。立役者となったのは勿論、シュート率100%のオールコートシューター緑間真太郎である。
無論、苦戦もあった。流石の緑間とて、同じ「キセキの世代」と呼ばれる者が相手となれば1on1では分が悪くなる場合もある。しかしその「キセキの世代」であろうと、40分間常にスクリーンをかけられながらオールコートでマンマークし続けられるかと言えば、答えは否。終盤になれば必ず運動能力は落ちる。そこから始まる蹂躙は、圧倒的の一言に尽きた。
これ以上詳しく語ることもない。ともかく、秀徳高校には緑間という稀代の天才が居た。それで十分であろう。
後にバスケットボール協会はルールの改正を検討することになる。緑間真太郎の存在により、バックコートにもシュートの禁止を適用するか否かを協会は考え直さなければならなくなっていた。
しかしスローイン時と違いディフェンスが付ける以上、流石にそれは納得がいかないと抗議が
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