緑間が不遇過ぎるから全力で活かしてみた
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しないことにも繋がる。
しかしバックコートに緑間が居る限り、それは最低の悪手。放置した瞬間、彼はフリーのレイアップと同じ気軽さで遥か遠方からシュートを放つ。しかもそれが必中であるのだから、始末に終えない。
再び反転し直し、火神は緑間への距離を詰める。しかし2人が自陣へ戻ろうとした直後に緑間は左後方へと流れ、自ら距離を空けていた。これではどれほど急いだとしても、到底間に合わない。
最早この試合何度目になるかわからない、超高高度リリースによるシュートが放たれる。火神は懸命に手を伸ばすが、やはり届くことはない。長い滞空時間を経て、ボールは静かにネットを揺らした。
そこから数分は正しく一方的な展開となる。同じ轍を踏まないよう、確かにフロントコートにボールが入るまで火神と木吉の2人は緑間を意識し続けた。しかしこれが完全に裏目。誠凛は大坪に連続得点を許してしまう。
ただでさえ一旦は4対3のアウトナンバーになる上、その3人のうち伊月、日向2人のポジションは1番と2番。水戸部1人では大坪を止めることができない。2人が戻るまでの僅か数秒を堪えることもできなかったのである。
無論それだけならまだ何とかなろう。しかし相手は緑間を擁する秀徳。彼のシュートが存在する以上、誠凛は相手より多くシュートを決める必要がある。にもかかわらず、緑間の攻撃以外までが決定率100%の速攻では話にならない。第1クォーターの貯金も既に尽き、じりじりと点差は開いていく。今後誠凛が1度でもシュートを落とせば、戦況は大きく秀徳へと傾くであろう。
堪らず誠凛はタイムアウトを取った。そして監督の相田が作戦の変更を伝える。それは緑間のマークの変更。端からシュートをブロックしようという考えが間違っていたことを彼女は告げる。
バックコートから打つ緑間の超長距離砲にはある程度の溜めが必要となる。そして本来ディフェンスとはシュートを打たせないもの。シュート体勢を取らせないことを第一とすれば、実は誰が付いても大差ないのである。
緑間をブロックできるが故に、超長距離砲は弾数に制限があるらしいが故に、彼女はついこの2人をマークに付けてしまった。しかしそれでは先程のように、アウトナンバーを作り出した相手の攻撃に耐えることができない。完全な失策であった。
縦の高さだけでなく横にも速く、チーム1瞬発力のある火神はそのままで良い。しかし木吉に関しては頂けない。彼は何時もの通りゴール下に陣取っているほうが、相手にとっては何倍も嫌な筈。オールコートでダブルチームをつけるにしても、もう1人は視野の広い伊月で良い。
緑間には極力ボールを持たせず、持たれた場合はとにかく張り付き、最優先でシュートを抑える。代わりにドリブルで単身突破されやすくなるが、問題はない。溜めの長くなる超長距離砲であれば、後
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