Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 12. Don't judge by appearance (4)
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、俺は刀を一閃。蒼紫に輝くギロチンに裁かれた騎士は、あっけなく消滅した。
◆
「おっつっかれー! いやー、ありがとーございました、っと!」
騎士が死んで五分後、無事に落っこちてた刀を回収できたマツリは、ホクホク顔で俺たちに礼を言ってきた。どうみても錆び塗れで剣八の斬魄刀よりもヒドい有様のボロ刀だったが、マツリはそれを大事そうに抱え、嬉しそうに笑っている。見た目はどうあれ、大切なものなのは本当みたいだ。
「まあ、大事ならもう二度と失くすな。何度も失くしちまうようなモンは、そのうち本当に消えちまうからな」
「お、含蓄深いお言葉だね、もしかして、自分の体験から?」
「ちげーよ。周りに多いんだ、そーゆーの」
何でも屋に来る仕事の半分くらいは落し物探し、しかも嬉しくないことに常連が多い。何度も依頼を受けてるうちに、凝りもせず同じものを失くして最後には何処からも見つからなくなる、なんてケースを山ほど経験することになった。物を大事にしないやつってのは、結局その場で見つけてやってもいずれまた失くし、最終的にはどっかに消えちまうんだ。育美さんは儲かって大喜びかもしんねーが、俺としちゃあ素直に喜べない現実があった。
まあ、目の前のこいつはそんなことにはならなさそうだけどな、と心の中で呟き、俺はこのクエストを終わらせることにした。
「さあ、刀は見つけたぜ。報酬をもらおうじゃねえか」
「う、忘れてなかったか……って、じょーだんじょーだん。約束通り、報酬金ととっておきの装備、はいどーぞ。あ、騎士を倒してくれた一護くんには、おまけにわたしオリジナルのスペシャルおまじないがかけてあるからね! 効果は抜群!」
「嘘付け、そんな効き目の無さそうなモンがかかったところで、どーせ一ミリも変化しねえだろ」
「ひどーい、頑張ったのにー」
ぶーぶー文句を言いながらも、マツリはきちっと報酬を手渡してくれた。同時にウィンドウが開き、『守人の探し物』のクエスト達成のメッセージが出現、クリアが確定する。早速下緒を装備するために、俺はアイテム欄を開き――え?
「ん? どうした一護」
硬直した俺を不審に思ったのか、横にいるキリトが問いかけてきた。が、今の俺にはそれに応える余裕はなかった。
アイテム欄の一番上、取得したばかりのその下緒のアイテム名は――『死神の装具・浅打の下緒』となっていた。
思わず俺はマツリの整った顔を見ようとした。が、それはできなかった。マツリはこちらに背を向け、あの錆びた刀を何故か水平に構えている。モンスターの一匹もいないこの場で、一体何をする気だ、俺が問う前にマツリの刀が閃き、虚空を一文字に裂いた。
すると、何もなかった空間に一条の切れ目が生じ、ゆっくりと開き始めた。まるで黒
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