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Deathberry and Deathgame
Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 10. Don't judge by appearance (2)
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二択なんだが、これがクエスト開始フラグだったらマズイ。こいつの高い鼻っ柱が折れるぐらいなら一向に構わないが、クエストフラグまで折れちまうのは避けたい。俺ももう十八歳。キレてばっかじゃなくて、ここは相手のペースに乗らず、冷静に対応するんだ。

「言いたくねえならもう帰れよ鬱陶しい」
「え、言いたくないなんて一言も言ってないけど?」

 イラッとくる、が我慢だ。相手のペースに乗らず、冷静に対応するんだ。

「お前はここに何しに来た」
「もちろん、君たちに用があったからお話ししに来たに決まってるでしょ! 用もないのにこのわたしが来ると思う?」
「……オーケイ、じゃあ用件を聞こう」
「え、あの、わたし今、『来ると思う?』って聞いたんだよ? 質問にちゃんと答えてくれないかなー?」

 ……イライラッとくる、が我慢だ。相手のペースに乗らず冷静に対処するんだ。

「思わねえよ。さあ答えたぜ。俺の質問にも答えてもらうぞ」
「いやいや、わたし『質問に答えてくれたらキミの問いにも答えるよ』なんて言った覚えないけどなー」

 …………ブチッときた、が我慢だ。相手のペースに乗らず冷静に対処……できるか!!

「思わねえよ!! だからさっさと用件を言え外套女!」
「えー、別に言わなきゃいけないギムとかないしー、どうしよっかなー?」
「義務はなくても言わねえとオメーの用が済まねえだろうが! 早く言えよ!!」
「ちぇー、わかったよもう。ちゃんと言いますよー。
 えっと、今日の朝は久しぶりにオムレツ食べたんだけど、付け合せのウィンナーがなくってー。わたし朝はガッツリ食べたい派だから物足んなくてさ、さっき下の露店で……」
「おいちょっと待て、何を語りだしてんだ?」
「え、さっきの私の間食について、だけど」

 …………はあ?

「……なんで、ンなこと急に喋りだしてんだよ、テメエ」
「え、ダメ?」
「俺は、テメエが何の用かを話せって言ってんだよ、人の話聞け」
「わたしは、今から『何の用かを話す』なんて言ってないよ? 人の話聞いてる?」

 ――――プッツン。

 俺の、頭の中で、何かが切れた、音がした。

「……あのー、一護サン? ウザイのは分かりますが、程々にしてくださいね? ココ、一応公共の場なんで」

 キリトがなんか言ってるが、今はそれに反応する余裕はない。頭の中が、怒り、いやもう殺意に届くレベルのイライラで溢れ返っていた。
 俺は大股で外套女との距離を詰める。特に警戒した様子もなく、すっとぼけた笑顔を浮かべている女の目の前に立ち、長い髪の下に隠れていた耳朶を両方とも掴む。

 そして、

「いい加減にしろテメエエエエエェェェェェェッ!!」
「ひぎゃあああああぁぁああああああああああッ!!」

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