Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 10. Don't judge by appearance (2)
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曲がった瞬間、
「ッ!?」
暗闇からブーツの底が顔面目掛けてすっ跳んできた。
槍の刺突を思わせるその脚撃を、身体を捻じり切らんばかりにツイストして何とか回避。そのまま後ろに倒れ込む勢いを利用してバク転、第二撃が来る前に一気に後退して距離を取った。
が、敵の行動は俊敏だった。
黒いマントのようなものを羽織ったそいつは上段蹴りを外した体勢を即座に立て直し、間合いを詰めるべく一気に突っ込んでくる。
「させるかよ!」
横からキリトが剣を片手に接近し、片手用直剣の単発刺突技《レイジスパイク》を敵の予想進路に撃ち込んだ。ペールブルーの閃光が高速で疾駆する敵の懐に突き立つ――かと思ったが、なんと敵はその場で進路を直角変更、キリトの真横をすり抜け、再度こっちに向かってくる。
「俺が目当てかよ、フザけやがって!」
悪態をつきつつ刀を構えた俺目掛けて敵が突進してくる。そのマントの中で、何かが蠢いたように見えた。
直後、チカッと銀色の光が瞬き、凄まじい速度で右手が突き込まれる。手首を返して刀を閃かせ、攻撃を受け流す。ガキンッ、という金属音と共に上がる火花。袖に隠れて見えないが、どうやら武器に当たったようだ。
お返しに胴を水平に薙ぎ払うが、敵は左手を振ってそれを弾く。またも硬質な音が響く。が、その瞬間、左の脇腹が大きく空いた。そこ目掛けて間髪入れず回し蹴りを放ったものの、間合いが遠すぎた。俺の蹴り足のつま先は、敵のマントの裾を掠める程度に留まる。
背後から強襲したキリトの一閃を見えているかのようにひらりと躱し、敵はそのまま大きく跳躍して距離を取った。その隙に俺もキリトと合流し、並んで獲物を構えて敵と対峙する。
「一護! 無事か!?」
「アッたり前だ! 不意打ちとかナメた真似しやがって! このクソ犯罪者野郎、絶対に叩っ斬ってやる!!」
俺は刀を真正面に構えて襲撃者を睨みつけた。
着地した体勢のまま、しゃがんだままで動く気配はない。黒いフードを被っていて、顔は見えない。手元が隠れてる所為で獲物が何なのかもわからない。一つ確かなのは、キリトの『索敵』スキルに引っかからなかった以上、コイツはそれを上回る『隠蔽』スキル持ちだってことだ。さっきの殺す気全開の蹴りといい、多分相当手馴れた犯罪者プレイヤー……
「……おい、一護。あいつのカーソルの色……黄色だ」
じゃねえのかよ。
犯罪者プレイヤーは、その名の通りカーソルの色が一般プレイヤーのグリーンからオレンジへと変わっている。直前まで気配を消してたことといい、不意を突いて蹴りをブチ込もうとしてきたことといい、てっきりソイツの上にはオレンジのカーソルが乗っかってると思ってた。
だが、よ
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