魔槍
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らもう止められない」
キリトが呼びかけるもそれをシオンはため息まじりで止めた。
「それって、どういう・・・?」
「あいつは滅多ことじゃ怒らねぇし、基本は優しく、穏やかな性格だ。だが、あいつにはどうしても許せないこといくつかある」
「それは?」
エリーシャの問いにシオンは淡々と答える。
「過去をいつまでも引きずって燻っている者、他人をコケにする者。そして今回のような人の扱いが悪いゲス野郎」
「彼がキレたらどうなるの?」
「さあな。程度によるが、数少ないキレで一番ヤバかった時はその場にいたモンスターの大群を一掃したのは覚えてる」
冷や汗を流しながら言ったシオンを見てこれは本当にヤバいとその場にいたもの全員が思った。
シオンはそんなシュタイナーに近づき、
「シュー、今なら思い切り使っていいぞ」
「・・・へぇ」
「王に挑むんだ、出し惜しみなんかできるかよ。タイミングはお前に任せる」
シュタイナーとシオンは不敵な笑みを浮かべた。
シオンは再び後方へ下り、キリトたちに作戦を伝える。すると真っ先にクラインが喚いた。
「ッ!正気かシオン!?」
「クライン、この作戦は馬鹿げた賭けだ。失敗すれば全滅は必至、だから強制はしない」
「本気、なんだよね・・・」
エリーシャが聞くがシオンは首を縦にふる。
「正直、俺も自信がねえよ。あの頃のような力も無ければ、数もいない。勝率なんて言っちまえば0%に等しい」
「なら・・・」
「それでも、俺は・・・勝ちたいんだ」
シオンは考えた。己が何故勝利を欲するのか?????
名声?存在価値?充実感?
『違うな、君が何故勝利を欲するのか。もう答えは出ているはずだよ・・・』
脳裏に過るのはいつも共にいる相棒。彼の言う通り、もう答えは出ていた。
『あぁ、そうだな』
『勝ちたいなら手を伸ばせ。一瞬を逃すな、全て絞りだせ』
『当たり前だ!』
シオンは目の前に悠然と佇むスリュムを見る。自分の運命を呪いたい気分でもあるがそうは言ってられない。
「分かった。シオン、お前の作戦に賭けよう」
「しょうがないわね、付き合ってあげるわよ!」
キリトとリズベット含め、他のメンバーも腹を括り再び武器を構える。
その姿にシオンは思わず笑ってしまった。
「やっぱ俺たち筋金入りの戦闘馬鹿みたいだな!」
「へっ!違ぇねえ!」
「あんたに言われるのは少し癪だけどね」
「さて、それじゃあ・・・」
シュタイナーは拳を打ちつけ気合を入れた。
「始めようか、神との大喧嘩をッ!」
その拳には微かに電流が帯びていた?????
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