八話:会話
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を始めようとディスプレイに目を戻すがふと、あることが気になり声をかける。
「ところで、ウーノ。君はやけにリインフォースのことを気にかけているように見えるのだが、私の気のせいかい?」
「いえ、気のせいではありません」
スカリエッティは、彼女のはっきりとした肯定の答えに少しばかり驚く。
基本的に冷静沈着な彼女が誰かに肩入れするというのも珍しいと思いさらに尋ねる。
「それはなぜだい?」
「そうですね……。以前、彼女に幸福とは何かについて問われ、ドクターに仕えることが全てと答えたら、高い共感を感じられたからでしょうか」
誰かに仕えることが幸福という考えはデバイスであったリインフォースには理解しやすい幸せであったのだ。
その為か、その在り方を称賛し尽くした。
結果として、ウーノの方もリインフォースに好印象を抱き、良好な関係を築くに至ったのだ。
それを聞いたスカリエッティは心底愉快そうに笑い、愛おし気に娘を見やる。
「くくく、そうかね。確かに、君達は誰かに仕えるという点では似通っているとも言える。私の方もいつも感謝しているよ」
「恐縮です」
お互いに少しばかり笑って言葉を交わし、二人は新たな作業に戻るのだった。
無数の命を弄んで得たデータを纏めるという作業に。
木と木がぶつかり合う甲高い音が響く。
音の出所に目を向けてみれば、一人の女性と少女が剣の稽古をしているのが見えるだろう。
木と木がぶつかる音の正体は木刀同士の衝突音である。
「もらった!」
「まだ、踏み込みが甘いですよ、主」
「のわっ!?」
少女、はやてが機と見て一気に勝負に出るものの、それは女性、シグナムの前では無意味。
軽くいなされ、お手本を見せるかのように理想的な踏み込みで内に入り、木刀を弾き飛ばす。
空しく宙を舞う自身の木刀を慌てて追おうとしたところでシグナムの木刀が突き付けられる。
「はぁ……降参や。また、負けてもうた。やっぱ、シグナムは強いなぁ」
「恐縮です。しかし、主も初めの頃より成長なされています」
「そか、ほんならもう一本や!」
「はやてちゃん! そろそろ休憩してください。もう三時間も続けているんですから。シグナムもちゃんと考えてやって!」
さあ、もう一勝負といったところでシャマルの雷が落ちた。
普段は怒らないシャマルに、はやてもシグナムも驚き条件反射で頷いてしまう。
もしも、これがシグナム単独であればシャマルも特には言わないであろうが今回ははやてがいる。
日常生活に支障なく歩けるようになったとはいえ、何年も歩いていなかった足にはまだ必要な筋力は備わっていない。
やりすぎれば怪我の元になりかねない。
「はやてちゃんはまだ子供なんで
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