八話:会話
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使わないと断言する代物だ。
魔法では到達できない速度に到達することも可能だが、そのリスクが骨折では割に合わない。
「だが、ウーノ。少し考え方を変えてみてごらん。彼は移動魔法とレアスキルを併用して使うことができないが、私達の新しい家族ならば可能になるのではないのかい?」
「つまり、究極の機動特化型の誕生ですか」
「そう。もっとも、トーレが居るから機動特化はあまり必要ではないかもしれないがね」
「なら、やはりそこまでしてこだわる必要はないのでは?」
「確かに。しかし、私が本当に着目しているのはそこではなく、時間を制御するという力だ」
随分と回りくどく、答えにたどり着くまでに時間を掛ける話し方をするスカリエッティ。
もしも、相手が切嗣であれば無視をして部屋から出ていくレベルだが、ウーノは気分を害することもなく静かに聞く。
その様子は彼女が自身の存在理由はスカリエッティに仕えることだけと思っているのを如実に表している。
「時を思うがままに支配し、改竄する。それはまさに神の所業ではないかね?」
「確かに、そういった見方をすることも可能です」
「その通り。もしも、もしもだよ。彼の力を彼以外の物に付与できたとしたら素晴らしいとは思わないかね。既に死んだ者すら巻き戻し、蘇らせる。己以外の全ての時を止める。永劫の時を一瞬にして味合わせ、塵だけにする。勿論、自身の不死化も簡単だ」
長々と演説を行い、疲れたのか少し咳をするスカリエッティにウーノが水を差しだす。
彼はそれを一口程、口に含み一息をつき再び口を開く。
「ようするにだ。私は戦闘機人すら超えた生命体、いわば―――神を作り出してみたいのだよ」
「神……ですか」
「そう、神が人を生み出したのだとほぼ全ての宗教では言われている。しかし、私は知っている。人を生み出すものは人以外にあり得ないのだと。なら、人が神を創り出すことも不可能ではないのではないのか?」
余りにも飛躍した話にここにきて初めて驚いたように目を見開くウーノ。
一方のスカリエッティはまるで子供のようにキラキラと瞳を輝かせ、不気味に笑っている。
そのギャップは常人が見れば鳥肌が立つほどのものだが、娘である彼女からすればむしろ落ち着くものであった。
「ドクターが目指すのならば可能でしょう」
「くくく、そう言ってくれるかい。嬉しいよ」
「しかし、今は妹達とリインフォースの件に集中してください。横道にそれてばかりでは進めたいものも進められません」
「む、それもそうだね。大切な娘達と客人の為だ。気持ちを入れなければね」
少したしなめられるように言われて真顔に戻るスカリエッティ。
それを澄ました顔で見つめながらウーノは実験のデータの分析と整理を行い始める。
彼もまた、作業
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