5話 前も後ろも障害物(アブスタクル)
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「SRAってなんだ?」
と、問う。それを聞いたルースフェルトとメリラは目を見開き、クロノスを見る。
「なんだよ?」
「私達の標的であり、要注意団体です」
「今日の公演で狙撃をしたのもSRAって言われているくらいなんですよ?」
メリラとルースフェルトは説明を加えるも、クロノスはピンときていない。
「あっそ」
クロノスはウイスキーに口を付ける。
「拙いな」
僕はテレビを見て言葉を残す。
そのテレビはニュースで、さっきのバーが警察に捕まり、武器を押収されたと言う事件が取り上げられていた。下手をすれば僕の姿が見られる可能性もある。
僕は今すぐ銃を壁の中に仕舞う。
「アーシャ。君の銃だ」
僕はアーシャにL96を見せる。
「ズレはどれくらいですか?」
「撃ってないからわからないな」
アーシャはそれを掴み、銃の分解を始めた。
「おいおい。確認はいいが、早めに仕舞ってくれよ」
どうやら聞いていないようだ。僕は僕でビールに手を付けようとした。その瞬間、リーナが扉を開けて帰ってきた。
「只今帰りました。本当にクロノスの存在は危ないですね。カリヒさん」
「全くだよ。クロノスねえ。戦闘力は多分僕と同じくらい強いだろう」
「結構高く評価しましたね。カリヒさんは確かに自信過剰な性格ではありませんが、ここまで過剰に見せるのは凄いですよね。で、アーシャは何をしているの?」
リーナはアーシャに目を向けるが、アーシャはもうすでに自分の世界に入り、銃を分解していた。
「どうやら、今話しかけても無駄だろうな」
「そうですね。どうします?」
「リーナはお酒飲んだこと在る?」
「ありませんが…飲ませていただけますか?」
「はいよ」
僕は2つコップを出し、リーナに渡した。
「初めは少ししか注がないよ?」
「はい。お願いします」
クロノスはSRAの残党が多く暮らしている州に向かった。
『隊長?今何処に居ます?』
ルースフェルトがクロノスに電話をかけ、通話している。
「どこでもいいだろ。別に俺は出入り禁止されているわけではないし」
『そういう問題ではありませんよ』
「まあ、いいじゃないか」
そう言ってクロノスは電話を切り、ポケットに仕舞う。それからスーツケースにあるM16を取り出し、廃工場の中に入る。
「もしもし?」
『クロノスか?』
彼が連絡をしているのはシャルラッハート・ワシントン。この男は臆病で、敵の存在を把握した瞬間、精鋭や防衛部隊を利用し、すぐさま殲滅を試みる。それが彼のやり方で、クロノスに別料金を提示していた。
「さて、やるか」
此処の廃工場は昔、コルト・ファイヤームズと言われる銃の会社の1つの工場だった。しかし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ