暁 〜小説投稿サイト〜
殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
5話 前も後ろも障害物(アブスタクル)
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「SRAってなんだ?」
 と、問う。それを聞いたルースフェルトとメリラは目を見開き、クロノスを見る。
 「なんだよ?」
 「私達の標的であり、要注意団体です」
 「今日の公演で狙撃をしたのもSRAって言われているくらいなんですよ?」
 メリラとルースフェルトは説明を加えるも、クロノスはピンときていない。
 「あっそ」
 クロノスはウイスキーに口を付ける。
 

 「拙いな」
 僕はテレビを見て言葉を残す。
 そのテレビはニュースで、さっきのバーが警察に捕まり、武器を押収されたと言う事件が取り上げられていた。下手をすれば僕の姿が見られる可能性もある。
 僕は今すぐ銃を壁の中に仕舞う。
 「アーシャ。君の銃だ」
 僕はアーシャにL96を見せる。
 「ズレはどれくらいですか?」
 「撃ってないからわからないな」
 アーシャはそれを掴み、銃の分解を始めた。
 「おいおい。確認はいいが、早めに仕舞ってくれよ」
 どうやら聞いていないようだ。僕は僕でビールに手を付けようとした。その瞬間、リーナが扉を開けて帰ってきた。
 「只今帰りました。本当にクロノスの存在は危ないですね。カリヒさん」
 「全くだよ。クロノスねえ。戦闘力は多分僕と同じくらい強いだろう」
 「結構高く評価しましたね。カリヒさんは確かに自信過剰な性格ではありませんが、ここまで過剰に見せるのは凄いですよね。で、アーシャは何をしているの?」
 リーナはアーシャに目を向けるが、アーシャはもうすでに自分の世界に入り、銃を分解していた。
 「どうやら、今話しかけても無駄だろうな」
 「そうですね。どうします?」
 「リーナはお酒飲んだこと在る?」
 「ありませんが…飲ませていただけますか?」
 「はいよ」
 僕は2つコップを出し、リーナに渡した。
 「初めは少ししか注がないよ?」
 「はい。お願いします」


 クロノスはSRAの残党が多く暮らしている州に向かった。
 『隊長?今何処に居ます?』
 ルースフェルトがクロノスに電話をかけ、通話している。
 「どこでもいいだろ。別に俺は出入り禁止されているわけではないし」
 『そういう問題ではありませんよ』
 「まあ、いいじゃないか」
 そう言ってクロノスは電話を切り、ポケットに仕舞う。それからスーツケースにあるM16を取り出し、廃工場の中に入る。
 「もしもし?」
 『クロノスか?』
 彼が連絡をしているのはシャルラッハート・ワシントン。この男は臆病で、敵の存在を把握した瞬間、精鋭や防衛部隊を利用し、すぐさま殲滅を試みる。それが彼のやり方で、クロノスに別料金を提示していた。
 「さて、やるか」
 此処の廃工場は昔、コルト・ファイヤームズと言われる銃の会社の1つの工場だった。しかし
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