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殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
5話 前も後ろも障害物(アブスタクル)
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 『クロノス。彼は金払いさえ良ければ誰にでも雇われる腕の良い殺し屋。ナイフ、散弾銃、小銃、サブマシンガンなど状況に応じた武器を使い、的確に脳天を打ち抜き対象を殺害する。そのクロノスがアメリカ軍に所属し、大統領量防衛部隊になったと言う噂だ』
 「腕の良い殺し屋…。納得だな。アーシャの狙撃が出る前に気がついた」
 僕は冷蔵庫を開け、瓶ワインを取り出した。
 「アーシャ。次は大統領じゃなく、あのクロノスを殺す。君は殺意を向けず、恐怖に負けずにクロノスの眉間、喉、鳩尾を撃ち抜け。奴は僕以上に殺意には敏感だ」
 僕は瓶の底を向けてアーシャに言う。するとアーシャは悲しそうな顔をする。
 そして冷蔵庫の上に置いたスルメとチーズを取り出し、袋を開けて口に咥える。
 「そしてアーシャ。ゾロターンはどこで手に入れたんだ?」
 「リーナさんが細かい部品を集めてきて、アタシが組み立てました」
 「部品。その手が有ったか」
 購入記録であるレシートをリーナは僕に見せてきた。
 合計42枚あり、いろいろな店で買ってきたのだろう。
 「アーシャ。ミネベアを組み立てれるか?」
 「今部品はすっからかんです。弾薬は持参した30発だけですので、作れたとしても何もできませんよ?」
 「そうか。じゃあ銃火器に希望は無いな」
 
 
 僕はスーツに着替え、店員から渡されたメモのバーに行ってみる。
 静かなムードでかなり綺麗な場所だった。
 「お待ちしておりました。矢渕カリヒさん」
 昼間に行ったスーパーの店員で有った少女がスーツを着て大人びた格好をしていた。
 「はじめまして。私、三上鈴奈です」
 「よろしく。さて、本題だ鈴奈。君は協力者か?それとも?」
 「厨房へ」
 案内され、裏に入る。
 「此処のバーはアメリカ在住のSRAが経営して居ます」
 「なるほど。でもどうして僕がSRAだって気づいた?」
 「ファックスで送られてきますから」
 時代遅れであるファックス。どうやらSRAの連絡手段らしい。
 「でもスーパーに買い物に行くとは限らないだろ?」
 「いえ。花火が売っているのはあそこのスーパーだけですから。それ以外のところに矢渕さんは行かいないと思っていましたから」
 僕は厨房に在る1番易い酒を手に取り、金を出す。
 「飲んでいいか?」
 「ええ」
 昼間も飲んだが、今も飲みたい。
 「そうだ。僕のことはカリヒでいいよ。矢渕って、僕の飼い主だった人の名前だから、あまりいい思い出はないんだよ」
 「わかりました。ではカリヒさん。今から此処においてある程度の銃とトラックを差し上げます。と言っても、大した量ではありませんから」
 僕はボトルを開けず、元の位置に戻した。
 「運転するんだったら、飲まないほうがいいね」
 「そ
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