入学編
1章
第三話「親睦会!!」
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そうですね、次もれーく...は、葉桐君の家になりそうですけどね!」
互いに食器などを片付けながら交わした会話の中に危ないワードが出てきた事を見逃さない。
「ねえ今れーくんって呼びそうになったでしょ?万葉里さん」
「い、いいいええ!?そ、そんなことないですよ!?」
「いや、動揺しすぎだから」
「と、ところでれーくん。万葉里って呼びにくくないですか?」
もう諦めるよ。れーくんでいいや。うん。
「んー、確かにちょっと呼びにくいかも...」
「沙知でいいですよ。ほら、さ・ち」
「いや、それは恥ずかしいっていうか...」
下の名前で呼ぶのはなんか抵抗がある。
「もう...呼んでくれなきゃ泣きますよ?」
彼女はもう泣く寸前のような目をしていた。ここで呼ばなかったら確実に泣かれるな。泣かれる理由についてはよく理解できないが。
「わ、分かったから...えと...さ、沙知...(ボソ)」
「え?もう一回お願いします」
「あぁーもぉーー!沙知!これでいいよね!?」
「ふふ...私の勝ちですねれーくん」
彼女は勝ち誇ったような表情でそう言った。
もうなんとでもなりやがれ。
「ふぅ〜あらかた終わりましたね〜、今の時間は...え!?11時30分!?」
「嘘!?まじかよ!?」
「れ、れーくん!近くにある駅って終電何時ですか!?」
「えと...11時15分...な、なんかごめんね?」
終電はとっくに終わっている。やってしまった...家まで送るにもお袋たちはデートに行ってるし、しかも朝まで帰ってこないし...
「と、とりあえずお家の人に電話しようか!」
「わ、私...一人暮らしなんです...ママたちは九州の方にいて...」
「マジ?」
「マジです...」
あまり女の子に対して提案していいことなのか怪しいとこだけど...仕方ないよな。
「うちに泊まってきなよ」
「ふぇ?ふぇぇえええぇええ!?」
彼女の頭の中がショートしたような音が聞こえた気がした。
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