Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 8. First (Hellish) Prize!
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きのスープもインスタントなんだけど」
「嘘よ。確かに野菜スープのインスタントは売ってるけど、私が前に食べた時は苦酸っぱかったし」
「それは貴女が『料理』スキルを持ってないせい。スキル持ちの一護が作ったさっきのスープには雑味が無かったのがその証拠」
「え!? あ、貴方『料理』スキル持ちなの? その人相で!?」
「食い物恵んでもらった相手にケンカ売ってんのかテメー」
「あ、ご、ごめんなさい。見た目と料理とのギャップがすごくって、つい……」
「いや言い訳になってねえよ、つかオメー謝る気ねーな」
ごめんなさい、で止めとけばいいものを、なんで最後に余計な一文足してんだよ。頭良さそうな顔してるクセに、バカなのか? それともワザとやってんのか? 後者なら今すぐデュエルを申し込んでやるが。
などと、内心で俺がアスナの人物像を修正していると、リーナが手に持ったスプーンでちゃぶ台をガンガンと叩いた。食器を裁判官の小づちみたいに扱うなよ。壊したら自腹で買ってきてもらうからな。
「余計な話はおしまい……さて、私のパートナーのガラの悪さはともかくとして」
「おい、オメーまでさりげなく俺をディスってんじゃねえぞコラ」
「ともかくとして、私たちの食糧をバカ食いした分の対価を支払ってもらう」
「う……わかったわよ。いくら?」
「五万コル」
高っ!? いくら最前線に出てくるトッププレイヤーでも五万コルはポンと出せる額じゃねえぞ。
「い、いくら何でもボッタクリすぎよ!!」
「おいリーナ、流石に五万はねえだろ。アスナの今日の狩りの収支が赤字になっちまう」
「飢えが原因でモンスターにぶち殺されてたら、赤字どころじゃなかったと思うけど……まあいい。じゃあ一万コルプラス有用な情報。モンスターハウス、あるいは高レベルな敵が出現する区画、部屋の位置を教えて」
「それなら、まあ……」
「何か知ってんのかよ」
「一つだけなら、ね。貴方たち、この先の遺跡エリアって、どこまで探索済み?」
「多分、西側なら入り口から一キロ圏内まで済んでるな。東側はもうコンプ済みのはずだ」
遺跡エリアは安全アリアを出てすぐに東西に分かれている。東エリアの方は、この前アルゴから買った情報を基に潜った時にマッピングを終わらせていたが、逆に西エリアは薄暗い通路が続くってことで深部の京略は後回しにしていた。派手に登場する戦士モンスターならまだしも、隠密モンスターみたいな『隠蔽』スキル持ちの連中はそういうトコの暗闇に潜んで奇襲とかしてくるからな。リーナの『索敵』で常に警戒する必要がある分集中力が要るから、長時間の狩りには向かないんだ。
「そう、なら丁度いいわ。入り口から西へ直線距離で1600メートル地点、そこにモンスターハウスらしき隠し
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