Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 8. First (Hellish) Prize!
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でマジになれねえわ。
まあ、いいか。他の意地きたねえ連中に出くわしてメシをタカられてもイヤだし、
「とっとと食っちまうか……んぁ?」
「んぅ?」
ハムと野菜をたんまり挟んだ黒パンにかぶりついた俺は、椀に口を付けてスープを飲み干したリーナと同時に声を上げた。安全エリアのジャングル側の入り口、そこから一人のプレイヤーが入って来たのが見えたからだ。しかも、なんかフラついている。
遠目に見る限りはHPは八割ぐらい残ってるし、バッドステータスも付いてない。腹を押さえてるから、さっきのブタ戦士に腹パンでも食らったんだろうな。ドンマイ。
とか他人事みたいに思ってたら、
「ぅう、仮想空間でも空腹で動けなくなるなんて……なんかおいしそうな匂いするし、お腹減ったなぁ……って、貴方たち!?」
「あ?」
どうもソイツは赤の他人ってワケじゃなかったらしい。
◆
「ふう……生き返ったあ……」
「ああ、そうかよ」
「……良かったね」
「………………その、えっと……ごめんなさい」
そーとも、謝れ。リーナに優るとも劣らないペースで食糧を食い漁った罪は重い。足らなくて予備分の食料まで出す羽目になったじゃねえか。おかげで見ろ、大事な食い物をとられたリーナの機嫌がダダ下がりしてんぞ。どーしてくれんだ。
食後のお茶を啜りながら、俺は恨みのこもった視線を女剣士アスナに送った。今は申し訳なさそうに身を縮めているが、ついさっきまでの両手に黒パン装備で昼の食卓という戦場で大暴れしていた光景は忘れない。敏捷に長けた細剣使いらしい凄まじい勢いだったな、スゲーどうでもいいが。
「……ソロで潜ってるクセに非常食持ってないとか、貴女バカなの? 死ぬの?」
「し、仕方ないでしょ! アイテムボックスの収容数に上限がある以上、ソロでアイテム収集する時は持ち物は最低限にする必要があるの!」
「それで餓死しかけて私たちにお昼ご飯タカってたんじゃ、世話無いと思う」
「……だ、だから、ごめんなさいって」
「許さない、『食べ物の恨みは十倍返し』が私のスタンス。相応の報いは受けてもらうから」
いつになく饒舌なリーナが、何故かスプーン片手にアスナに詰め寄る。コイツ食い物が絡むとホントに豹変するよな。優しそうな顔しといて言う事キッツイ卯ノ花さんとか、器用なクセにエグイ見た目の料理を生み出す井上とかもそーだけど、女の裏の一面ってマジおっかねえ。出来ればそんなもん一生見たくねーんだけど、生憎コイツは俺の相方、クリアまでは揃って行動だ。見たくなくてもこの先山ほど見る羽目になるんだろーな……イヤだな。
「そもそも、SAOのインスタントフードって美味しくないのよ! 値段も高いし、薬が混ざってるみたいな味するし!」
「さっ
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