Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 7. Die Hard’s Daily Life (2)
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して、常に最前線に潜り続け、モンスタートラップに敢えて引っ掛かることで狩りの効率を上げるという前代未聞のレベル上げを行う二人組プレイヤーの存在が――って、何だよコレ!?」
「おーおー、随分と派手に載ったもんだな、一護。一面丸々使われてんじゃねえか」
エギルが俺の後ろから記事を覗きこんで呑気なことをのたまうが、こっちとしちゃあ迷惑でしかない。流石に顔写真はなかったが、察しの良いヤツが見ればすぐに俺らのことだと分かるはずだ。
いくら俺が他人の目を気にしねえって言っても、ヘンな噂を流されるのは気分が悪い。この仮想世界に来て、せっかく髪色の派手さで目立つことがなくなったってのに、こんなことで悪目立ちさせられたら堪ったもんじゃない。記事を作ったのは多分あの情報屋だろう。今度会ったら文句言ってやる。
「にしても、第一層攻略の時は『橙の勇士』に『白虎』で統一されてたのに、どんどん増えていくな。『命知らず』『バトルホリック』『タンポポヤン――」
「待てコラキリト、最後のはタダの悪口だろうが。しかも出所もすぐ分かるし。あのクソトゲ頭、まだ生きてんのかよ。とっととくたばれってんだ」
攻略会議でギャイギャイ言ってた男を思い出し、俺はついうんざりした声を出してしまった。今は第一層にある巨大ギルドに入ったとか聞いてはいるが、心底どうでもいい。
尚、余談だが、ディアベルはスキル教室をやってた面子に仲間入りしたらしい。スキルの他にも戦闘時の連携の基礎なんかも教えたりして、初級プレイヤー諸氏を支えているそうだ。ちょくちょく連絡を取って調子を聞いている限りでは、なかなか評判はいいとのこと。あの時の抜け駆けを気に病みすぎてもいないようだし、平穏で何よりだ。
「……さて、と。一護、鑑定が終わったぞ。確認してくれ」
「おお、さんきゅ」
言われて提示されたトレード欄をザッと確認する。合計額は358400コルだ。ってことは、討伐コルを含めて三日で一人頭で三十六万コルくらい、一日平均で十二万ってとこか。三日籠りっぱなしなら、まあ妥当な額だ。こっから連戦で消耗した防具の補填とか、アイテムやキャンプの雑費なんかがごっそり引かれるけどな。
買い取りの詳細は、まあだいたい相場通りになってる。さっき交渉した『カウベアーの毛皮』だけはちょっと高めだが、他は別に目を引くような箇所は無い。
「どうだ?」
「ああ、問題ねえ。交渉成立だ」
そう言って、俺はトレード欄の成立をクリック、総額のキッチリ半分をリーナに転送した。これで、ここでの用は済んだ。
「毎度あり。また頼むぜ、一護。せっかくだし、使ったアイテムの補充もやってくか?」
「いや、いい。明日買い出しすっから、そん時に頼むわ。それに……」
相棒が
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