第3話 誑かす者
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―――――――ガッ』
まるで化け物に遭遇したかの様に震え上がるも、一瞬の内に背後を取られた3人は首に手刀を当てられてから敢え無く意識を刈り取られた。
それを小笠原千花は茫然と見ていたが、宇佐美巨人は皮肉気に言う。
「衛宮、お前ホントは川神百代より強いんじゃねぇのか?」
「この程度の相手なら川神はしょっちゅう懲らしめてると思いますよ?それに如何でしょうね?戦った事は無いし、これからもやりたいとは思えませんね」
士郎は小笠原千花に近づきながら苦笑する。
「確か君は小笠原千花さんだったよね?」
「え!あっ、はい!助けてくれてありがとう御座いました!」
「お礼は受け入れるけどその前に・・・・・・如何してこんな時間帯でこの周辺をうろついてたんだ!もし俺達が居なかったらどうなってたか解ってるのか!」
説教が始まった。
この事に、全て士郎の言う通りだと小笠原千花は素直に説教を受け続けていた。
しかしこのままでは話が長くなりそうだと思い、宇佐美巨人が止めに入る。
「衛宮、正論だとは思うがこんな処でこれ以上説教しても、あまり宜しいとは言えないと思うぜ?」
「んん、そうですね。――――それじゃあ、これに懲りたらもうしない様に!」
「はっ、はい!すいませんでした!」
本心からの謝罪と受け取った士郎は、一息ついてから宇佐美達に言う。
「忠勝たちはもう仕事終わりだよな?」
「そうっすけど・・・」
「よく分かったな」
「2人の気の昂ぶりや静まりからの推測ですよ。それでですね、彼女――――小笠原千花さんを送ってもらえますか?俺はコイツらを警察に引き渡してから見回りの続きがあるので」
警察に連絡するために、スマホを片手で操作しながら士郎は頼み込む。
「その程度ならいいぜ?」
「でしたらお願いします。宇佐美先生」
「それじゃ、失礼します」
「ああ、お疲れ。・・・・・・警察ですか?私は――――」
士郎は片手間で宇佐美達に挨拶しながら警察に連絡を取った。
その士郎に、小笠原千花はもう一度深々と礼をしてからその場を離れて行った。
−Interlude−
親不孝通りから離れた3人は、士郎の頼みにより小笠原千花の自宅に向かって行った。
「あのー、源君。衛宮先輩って、やっぱり凄いの?」
「見た通りの筈だが?噂位も聞いてるんじゃねぇのか?」
忠勝は、小笠原千花の質問に仏頂面で答える。
そんな2人に宇佐美が言う。
「小笠原、それに忠勝も覚えておけ。この世の中で、衛宮みたいなタイプこそが一番敵に回すと恐ろしいんだぜ?普段は温和だからこそ、一度逆鱗に触れると、もう説得は無理だ」
「それ位重々承知だ
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