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歌集「春雪花」
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 約束も

  なかりて君は

   戻りける

 侘しきわれは

  いかに生くべき



 約束もなにもない…あり得ようもない…。
 次にいつ来るのか…そんなことも分からない…。

 彼は何も言ってはくれず、あっという間に帰ってしまった…。
 この想いは届くこともなく…この先もきっと…。

 そんな淋しさと哀しみを胸に、私は…どう生きてゆけば良いのだろうか…。



 わが身世に

  無からむとして

   隠るれば

 君への恋ぞ

  忘るるものかな



 この世界…最初から私なぞ居なかったとしたら…。
 もしそう考えて私がどこかに隠れ、ひっそりと一人で生きてゆければ…彼への想いは消せるのだろうか…?

 今度はいつ会える…今度はどんな言葉をかけてくれる…今度はどんな顔を見せてくれる…。
 そんなことを考えながら生きる苦しさから開放され、私は自由になるのだろうか…?

 いや…それでもきっと…毎日、彼のことを想うに違いない…。




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