俺は愛せる? 幻想郷...
甘い香りは理解力を活性化させる
第二十七話 俺の大好きな香り
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か。
「何があったかはわからない… 力不足ですまない…」
「ルーミアに何かしてもらうほど何かしてあげた覚えはないよ…」
「いいや、"友人"が気分を悪くしているのに何もしないなんて馬鹿げているだろう?」
友人…か。
「優しいんだな、ルーミアは」
「私の知っているお前は私より優しいと思っていたんだが」
「生憎、俺はそんなに優しくないよ」
目を逸らしてそう言う俺から何か感じ取ったのか、ルーミアは鋭い考察力を持って問い詰めてきた。
「さては琥珀、誰かを傷つけたりしたか?」
ふっ、と鼻で笑い、若干呆れたように、
「ルーミアはなんでも知ってるな…」
「なんでもは知らないぞ、知ってることだけだ」
ん…?
「ルーミア、君は家で自分の部屋が無くて廊下でお掃除ロボットに挨拶の毎日とかないよな?」
「あるわけないだろう。"猫じゃあるまいし"」
ん… んぅ?
「ストレスでもう一つの人格作ったりしてないよな…?」
「ないよ、どうしたいきなり… "ブラックルーミア"なんて存在するわけないだろう」
「お前確信犯じゃねぇ〜か!!」
ルーミア… お前は博麗ちゃんに似た何かを持っている… 違う者だと思っていたのに… 俺を疲れさせる組だっただなんて…
綺麗なお姉さんを想像していたのにぃ…
「ふふっ、よかったよかった」
いつの間にやら優しく笑みを浮かべているルーミアがいた。
「琥珀が元気になったみたいでよかったよ」
ああ… 俺は元気づけられていたのか。それも自然と… いいや、よくよく考えればバカみたいな話だ。俺が思考停止していただけだな、やられたぜルーミア。
一層、打ち明けるか…
「なぁ、ルーミア… 俺はもっと違う世界にいたんだよ」
「知ってるよ?」
「え…」
「私の嗅覚をナメるなよ。ただ、琥珀は直ぐに幻想郷に慣れる。というか、お前はここにいてこそなんだ、相応しいんだ」
ルーミアの表情は至って真面目だ。
「だから、一つだけ教えてあげよう。幻想郷はな、みんなオープンで愉快なんだ。嫌なことなんて次の日には忘れちゃう。それくらい愉快なところなんだ。むしろ、良いことしか覚えてないで迷惑するくらい」
そうか… 俺は考え過ぎていた。そう言うことなんだ。
「ありがとう、ルーミア。俺の闇は、美味しかったか?」
「皮肉か? 残念ながら、こってり過ぎて私の口には合わなかったけれど」
ははは、とお互いに笑って話を切った。
冗談で言ったのだが、マジで俺の闇を食ったのか…? いや、深く探るのはよそう…
「そうだなぁ〜 これでも持って行ってあげたらどうよ。さっき拾ったんだけど」
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