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おぢばにおかえり
第十八話 プールですその十九
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「もうちょっとじゃない」
「全然実感が」
「そうよね。昔は私達の歳になったら皆子供がいたそうだけれど」
 これも全然実感がないです。十六とか十八でもうお母さんなんて。天理教の人は結構結婚が早かったりしますがそれでも二十一とかそんな歳です。十代でお母さんは殆どないです。
「今は違うからね」
「ですよね。やっぱり」
「私も。やっぱり結婚するのかしら」
 先輩はふと呟かれました。
「高校を卒業して。それから」
「先輩が奥さんにですか」
「皆そうなるじゃない」
 やっぱり実感出来ないことでした。
「どっちにしろいずれは」
「私も、ですよね」
「そうよ。いい旦那様見つけなさいよ」
「ですよね」
「ちっちの家は教会だから」
 このことはどうしても離れません。やっぱり私は教会の娘です。
「跡継ぎだったわよね」
「長女ですから」
 そうなっています。だから娘達は地元の学校でもいいことになっています。私はしこみの為にも天理高校にってなりました。親里高校に行くかどうかって話もありましたけれど結局天理高校になったんです。
「やっぱり」
「じゃあお婿さんになるわよね」
「お婿さんですか」
「何かちっちって年下の子をゲットしそうなのよね」
「私は年下は」
 タイプじゃありません。やっぱり背が高くて前を向かって毅然と行くような人が好きです。色々と悩むことがあってもそれでも、って感じで。背はまあ一七〇あればいいですけれど私より大きければ贅沢は言いません。やっぱり大事なのは心なんですから。
「あまり」
「何かそんな感じがするのよ」
 それでも先輩は仰います。
「案外年下もいいらしいわよ」
「そうですか?」
「母性本能をくすぐるって感じでね」
 どうもそうらしいです。母性本能、ですか。
「弟とかそんなふうに」
「弟・・・・・・」
 いないです。お兄さんとかそうした人も。兄弟は妹二人ですしお母さんの家はそれこそ女の人ばかりで。そういえば信者さんも女の人が多い感じです。天理教では婦人会や女子青年というものもありますがこれが他の宗教に比べて結構力があったりします。やっぱり教祖が女性ですから。
「それは別に」
「いらないの?弟さんとか」
「そう言われても」
 実際に持ったことがないので何も言えません。男兄弟欲しいんですけれどもう流石に無理です。
「どうでしょうか」
「わからないならいいわ。私はまあ」
 また少し。暗い横顔になられました。
「今はあまり考えたら駄目なのかもね、やっぱり」
「あの、先輩」
「何でもないわ」
 けれどその暗いものをすぐに消されました。いつもの明るくて優しい先輩に戻られました。
「とにかく。お風呂に入りましょう」
「ですよね。汚れを洗い落として」
「一年の頃はお風呂入るのも大変
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