第二百三十七話 魔界衆その六
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「わかったな」
「畏まりました」
「ではそれでは」
「ここは」
「安土に集まり」
「そこから」
魔界衆が出たその時にというのだ。
「一気にですね」
「決戦を挑んだ魔界衆と」
「最後の一勝負」
「それにかかりますな」
「そうする、そして伊賀攻めの先陣じゃが」
具体的な、だ。その攻める陣の話もした。
「明智家とする」
「何と、明智家ですか」
「その上様を危機にやった」
「あの明智家をですか」
「先陣にですか」
「命じられますか」
「そうじゃ」
信長は自身の言葉に顔を引き締めさせた大名達に答えた、見れば皆顔を引き締めさせてはいるが驚いてはいない。
「そうするぞ」
「わかりました、では」
「先陣は明智家」
「そして、ですな」
「その後にですな」
「天下の軍勢で攻める」
まさにという言葉だった。
「四十万の兵でな」
「四十万ですか」
「そうじゃ」
家康に確かな言葉で答えた。
「その数でな」
「攻められると」
「具体的には囲む」
その伊賀をというのだ。
「そして百地の領地に入りじゃ」
「そこからですな」
「あの者達を完全に囲んで潰す」
「その四十万の軍勢で」
「兵は数じゃ」
信長は家康に確かな声で言い切った。
「その数で攻めればな」
「如何にですな」
「あの者達が妖しき術を使えどもじゃ」
「勝てますか」
「これまで多くの戦があった」
主に本願寺との戦の時にだ、彼等が本願寺の軍勢に紛れ込んでいてそのうえで戦っていたとこともだ、信長はわかっていた。
それでだ、信長は言ったのである。
「それであの者達も数は減らしておるわ」
「そういえばあの者達はどれだけおるのでしょう」
こう言ったのは羽柴だった、考える顔での言葉だ。
「本願寺との戦で随分と倒しましたが」
「そこまではわしもわからぬが」
「それでもですか」
「百万おればよいであろう」
「百万ですか」
「そこまでおらぬやも知れぬ」
「では、です」
ここでだ、羽柴は信長の話を聞いたうえで述べた。
「これまで我等が倒してきた魔界衆の者達は」
「百万もおらぬにしてもじゃな」
「随分多いですが」
「相当な数が傀儡じゃった」
「傀儡ですか」
「そうだったのじゃ」
つまりだ、人形だったというのだ。
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