第四幕その七
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「その組み合わせなのね」
「そう、そうじゃないとね」
「虎さんだから」
「そうなんだ、僕はね」
「それわかるわ、どうしてもね」
虎だからです。
「黒と黄色の縦縞になるわね」
「僕の好みではね」
「まさに虎ね」
「うん、何か日本でも大人気らしいけれど」
「人気はあるけれど最近今一つね」
困ったお顔で、です。恵梨香は臆病ライオンも見て言いました。
「ライオンさんもね」
「僕も?」
「日本のライオンは白いけれど」
「白いライオンなんだ」
「最近今一つなのよ、昔は凄く強かったらしいけれど」
「僕は臆病だけれど」
「いえ、臆病ライオンさんはいざって時は本当は強いじゃない」
けれど、というのです。
「日本の白いライオンさんもはっきりしないの」
「百獣の王なのに?」
「鷹さんによく負けるわ、虎さんは鯉さんにいつも散々やられるわ」
「どんな虎なのよ」
ビリーナもお話を聞いて呆れ顔です。
「鯉に負ける虎なんて聞いたことないわ」
「日本だとそうなの」
「普通虎が鯉を食べるものでしょ」
「実際僕鯉好きだよ」
腹ペコタイガーの大好物でもあります。
「おかしいね、日本の虎って」
「そんな虎には私が気合を入れてあげたいわね」
こうも言うビリーナでした。
「是非ね」
「いいね、じゃあいっそのこと僕が鯉を食べようか」
フルーツの盛り合わせをぺろりと食べておかわりのお皿のそれも食べながらです、腹ペコタイガーは言うのでした。
「美味しくね」
「そうするのね」
「うん、是非ね。ただ」
「ただ?」
「鯉もいいけれど今はね」
「あんたカレーに最近凝ってるからね」
「だからね」
それでというのです。
「カレーの方がいいかな」
「そうなるわね」
「確かに鯉も食べたいけれど」
それでもというのです。
「カレーの方がいいかな」
「カレーね」
「また食べたいよ、しかもね」
腹ペコタイガーはさらに言いました。
「物凄く美味しい最高のカレーが食べたくなったね」
「最高の?」
「そう、最高のね」
ビリーナに言うのでした。
「そう思ってるよ」
「というとどんなカレー?」
「凄く美味しいカレーだよ」
「そう言われても」
「わからない?」
「ええ、私はカレー食べないからね」
「ルーを付けた御飯は食べてるじゃない」
腹ペコタイガーはこうビリーナに返しました。
「御飯の粒をね」
「あんたみたいに一杯食べていないわよ」
「そういう意味なんだ」
「そうよ、あんたはまたね」
特にというのです。
「かなり食べているでしょ」
「まあね」
「私の食べ方だと美味しいことはわかっても」
「僕みたいにはだね」
「わからないわ」
「嘴と口の違いかな」
「そういうことね」
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