sts 22 「大人達と子供達」
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ので俺は頭を悩ませる。
「えっとだな……」
「あのねディアーチェ、この子は」
「フェイト、貴様の娘か?」
「え、あっうん」
フェイト……説明しようとしてくれた気持ちは嬉しいが、完全にこの流れは逆効果だ。
今回の場合、なのはが説明したほうが絶対に良かった。なのはも自分が行くべきだった、と思っているのか顔を手で覆っているし……。
「ただ私は後見人でなのはが……」
「貴様達は何を考えておるのだ!」
「え、な、何が!?」
「何が、ではないわ! わ、我は貴様達がそのような関係になったとは聞いておらぬぞ。こここ恋人という関係くらいならば……まあ周囲に黙っておくのも分からなくもない」
「ちょっディアーチェ、何か誤解……!」
「しかし、娘がいるということは……そ、その…………あんなことやこんなこと……をするほど深い仲になったということなのだろう。結婚も視野に入れておるはず……レーネ殿にもそのような話は行ってはいないようだし、貴様達はいったい何を考えておるのだ!」
からかわれて取り乱す過去の姿が重なって見えるが……何だか昔よりもひどくなっているような。まあ結婚や子供を産むといったことを、より現実的に考えられる年齢になっているのでおかしくはないが。ただ早く誤解を解く必要がある。
そう考えた俺はディアーチェに声を掛け続け、どうにか落ち着かせることに成功した。ヴィヴィオのことを説明すると、彼女は早とちりで色々と発言してしまったと顔を真っ赤に染める。
「まあまあ王さま、人間誰だって失敗するもんや。あんまり気にしたらあかんよ」
「こういうときに優しい言葉を掛けるでない。余計に気にしてしまうであろうが……というか、貴様にそのような言葉を掛けられると寒気がする」
「ちょっ、それはひどいんやない。私だってもう昔の私やないんや。時と場所はちゃんと考える」
「まあ貴様も……って、その言い方は機会があればからかうと言っておるだろ! 小鴉も成長もしたのだな、と思った我の気持ちを返せ!」
はやてとディアーチェの言い争う? 姿に俺を含めた隊長陣は懐かしさを覚えるが、フォワード達は呆気に取られてしまっている。同じ顔の人間が口だけとはいえ喧嘩しているのだから分からなくもない。ただ俺達と前から付き合いのあったエリオだけは大丈夫のようだ。
「あっ……ヴィヴィオ、ピーマンも残さず食べなきゃダメだよ」
「うぅ……にがいのきらい」
「ちゃんと食べないと大きくなれないんだからね」
「そうやなぁ……あまり好き嫌いが多いとママ達みたいに美人になれへんよ。なあ王さま」
「うむ、栄養が偏るのは良くはない。好き嫌いせずバランスの良い食事をすることが大切だ。……とはいえ、子供の味覚は我々とは違うから
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